内田裕介

内田裕介

ビール好きのおやじです

さんの書評2018/04/12

「ガレノス製剤」の作り方

「ガレノス製剤」について情報が欲しくて手に取った。
本書の定義によればガレノス製剤とは「天然由来であるか否かを問わず、薬効を持つ物質を変容させて、生物が採取しやすくし、診断に沿う病気の治療と予防のために最適な剤形に調剤する技術とその手法」とのこと。
言い回しが難しくてわかりにくいが、薬効成分をクリームや錠剤、カプセル、坐薬などに加工したもの、すなわち我々が普通に目にする「薬」を「ガレノス製剤」というようだ。
著者は薬局を営む薬剤師で、本書の内容はたとえば咳、ニキビ、日焼け、歯痛等々具体的な症状に対するアロマ調剤の処方である。
それぞれの薬効成分をどういう「ガレノス製剤」に加工するのかももちろん記述されていて、ガレノス製剤がどういうものかがなんとなくわかったので目的は達した。
しかし、そのへんのアロマ屋さんで売っているような材料ばかりではないので、本書通りに調剤して試してみるのは簡単ではない。
その意味ではあまり実用上の参考にはならないが、巻末におもしろいデータがあった。
それは著者が調剤につかう精油の成分基準で、たとえばラベンダーならリナロールは25%以上、酢酸リナリルは30%以上、テルピネン-4-オールは2~6%の範囲内、と細かく決まっている。
ためしに手持ちのラベンダーとティートリーをチェックしてみたら、いちおう基準内にはおさまっていたが、成分表に記載されていない微量成分もあったりして、なかなか興味深かった。

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さんの書評2018/03/21

記述が大雑把で議論も雑なのであまり参考になりませんでした

安保徹氏の書くもののファンで、対談集かな、と思って手に取りました。
が、安保氏はコメント程度。ほとんどはもう一人の著者、堀氏の健康論です。
とはいっても、TVなどでも耳にするような一般的な代替療法、たとえば温泉のホルミシス療法とか、ミネラルウォーターの効能とか、聞いたことのあるような話が多い。
しかも、堀氏は歯科医とのことで、専門ではない分野については証拠の提示がいまひとつ不十分。
たとえば「胸腺を揉むと免疫力が復活する」といいますが、ほんとうに脂肪の塊となった胸腺がもとに戻るのか?
40を過ぎて胸腺が退縮したあとは胸腺外でTリンパが成熟するので、リンパ球の数そのものはそんなに変わらないのではなかったかと思います。
そもそも胸骨の内側にある胸腺に肋骨の上からアプローチできるとは思えないのですが・・・
アルカリイオン水は胃酸を薄めるのでよくない、という記述もありますが、これも人の説をそのまま引用しただけでダメだという証拠がない。
逆に、アルカリイオン水には効果がある、という本にはそれなりに証拠が提示されています。
ということで、代替療法そのものを否定するわけではありませんが、本書の記述はとても大雑把で議論も雑なので、あまり参考になりませんでした。

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さんの書評2018/03/14

毎日のバイタルチェックに体温の記録も有効だと感じました

タイトルから想像できるとおり、冷え性対策についての知見をまとめたものです。
著者はお医者さんですが、東洋医学など代替医療も修めたいわゆる「統合医療」の専門家。
知りませんでしたが、東京女子医大のなかに「自然医療研究所クリニック」というのがあって、統合医療を行っているそうです。
西洋医学に基づく生理学的な知見(自律神経系や内分泌系)と陰陽五行思想に基づく理論の両面から、冷えの原因と対策を検討していて幅広いのが特徴です。
冷えの原因を西洋医学風にいうと、
「循環不全の一種で、血流不足や代謝低下により起きる熱産生不足」
だそうですが、血流不足や代謝低下の原因はありふれていて、たとえば、ストレスによる交感神経の過緊張、エアコンによる冷やしすぎ、冷たい飲料のとりすぎ、運動不足などなど。
よって対処方法はよくある生活習慣病の予防方法と変わりません。
しかし、予防法はわかっていてもなかなか実践できない。
それは目標がたくさんありすぎるかもしれません。
本書の目標は「体温を上げる」ということだけなのでシンプルです。
しかも、上がったか上がっていないかは、体温計で簡単に測ることができる。
最近では活動量計に体温計も装備したものがあると聞きますし、毎日のバイタルのチェックに体温を入れてみる方法も有効だと思いました。

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さんの書評2018/03/13

脳とバーチャル世界の間にある際限のない欲望のループ

ゲームとポルノが若い男性に与える悪影響について考察したもの。
著者は心理学が専門だが、社会学から脳科学まで広範な知見が提供されている。
ゲームもポルノも脳の快楽中枢=側坐核を刺激しドーパミンの分泌を促進する。
が、男性のほうが女性に比べて2~3倍もの放出があり、強烈な快感が得られるうえに馴化も進むから、はるかに依存症になりやすい。
IT化の伸展によって、以前はハードルが高かったポルノへのアクセスも容易になった。
バーチャル世界のゲームとポルノに強烈に惹き付けられて抜け出せなくなり、現実社会への適応性を失った男性が急速に増えている。
これが、著者らのいう「男子劣化社会」である。
本来、肉体を通して(=肉体の物理的制約の範囲内で)のみ脳が得られるはずの満足が、IT化の進展によって直接脳に入ってくるようになった。
脳の欲求に対する肉体の制約が大幅に減ったのが今のIT化社会だ。
ネット通販で居ながらにして必要なものが手に入るとか、図書館に行かなくても調べ物ができるなどとという程度ならまだしも、報酬系が関わってくると厄介だ。
それこそ、脳とバーチャル世界の間で際限のない欲望のループがはじまる。まるでバッテリーをショートさせたようなものだ。
そうなるともう、いきつくところまでいって、最後は壊れるしかない。
本書ではそれを防ぐためのいろいろなアイディアも提出されているが、現実には非常に難しいと感じる。
宮台真司氏がよくいう「男子の性的な後退」も、この流れにのっているものだろう。
そして、大多数の男子は映画「マトリックス」のように、直接、コンピュータに繫がれる道を自ら選び、それでもそれなりに幸せな人生を送るのかもしれない。
原題は『man(dis)connected)』
ネットに繋がれ、現実社会との接続を切られた男たち。
もう、後戻りはできない気がする。

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さんの書評2018/03/10

著者自身が行った様々な実験結果を丁寧に紹介していて参考になった

HSPについて、サウナでの実験結果が書かれているというので読んでみました。
実験は乾式の高温サウナではなく低温のミストサウナ。
40度前後の低温で毎日15分、2~3週間連続で入るとHSPが増えるという結果でした。
それなら普通に入浴してもいいわけで、あえて低温のミストサウナで実験をした意図がよくわかりません。
70度から100度近い高温の環境は通常の入浴方法では得られないので、その結果が知りたかったのですが・・・
とはいえ、著者自身が行った様々な実験結果を丁寧に紹介していて、HSPがどのようにしたら増えるのか、HSPはどのような効果があるのかがよくわかって大変参考になりました。
とくに興味深かったのは円形脱毛症の原因について。
円形脱毛症がストレスに関係しているとは以前からいわれていましたが、HSPの不足によるアポトーシスが原因ではないか、との説が提示されています。
精神的ストレスが、なぜ、頭皮の細胞のみに障害を与えるのかについてはよくわかりません。
が、もしかするとストレスは全身の細胞に加わっていて、たまたま、障害が出たのが頭皮だったということなのかもしれませんね。
期待した情報は得られませんでしたが、データが豊富で、いろいろと参考になったので★5にしました。

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さんの書評2018/03/04

筋肉研究一筋40年の著者が現役引退時にまとめた貴重な知見です

杉晴夫氏の「ストレスとは何か」がたいへんおもしろかったので、他の著作にもまとめてあたっています。
本書は、筋肉研究一筋の著者が現役を引退するときにまとめたもの。
40年にわたる知見の集大成を一般向けに分かりやすく解説していています。
なぜ筋肉が動くのか、その動力源となるエネルギーはどのように供給されるのか、筋肉を意のままに制御する神経系はどうなっているのかなどなど、筋肉にまつわる話題が体系的、包括的に学べるのが魅力です。
もっとも興味深かったのは、「まだ解明されていない」とか「40年研究してきたが結局わからなかった」というフレーズがそこここに見られること。
集大成としてまとめた新書のタイトルに「ふしぎ」という言葉が使われている理由がわかった気がします。
研究対象に対する著者の愛というか自然が作った筋肉というしくみへの深い敬意が感じられて好感が持てました。
筋肉疲労の原因は乳酸である、など、現在では古くなってしまった学説も見られますが、それはそれとして、いまでも一読の価値は十分あると思います。

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さんの書評2018/03/03

ヒートショックプロテインがなぜ効くのか

ヒートショックプロテインがなぜ効くのかに興味があって何冊かしらべてみたなかの一冊です。
著者は薬学・生化学が専門でHSPを研究して20何年とのことで、分子レベルでタンパク質の構造から読み解きつつ、HSPがどのようにタンパク質の変性を防ぎ、さらに壊れたタンパク質を修復していくのか、微に入り細を穿つ非常に詳しく解説されています。
単なる専門バカの研究者、というより、生命現象を俯瞰するなにか思想のような軸が一本通っていて、自身の研究を冗談めかして「ノーベル賞もの」などと書いていますが、筆致にはほんとうにノーベル賞でもとりそうな勢いがあり、たいへん興味深く読みました。
チューリップエキスが皮膚のHSPを増やし、コラーゲンを修復するという話があったので、ためしに製造元の化粧品会社に問い合わせてみました。
が、あくまで試験管のなかでの話で、ヒトの身体ではまだわからないとのことでした。
仮説もまだたくさん残っているのでしょうが、ひととおり納得のいく説明は得られたので満足です。
おもしろかったので、この著者の他の著作があれば、あたってみたいと思います。

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さんの書評2018/02/28

椎骨は左側にしかズレない、という説がほんとうなのかどうかがキモ

タイトルが気になったので手に取ってみた。
著者は整体を生業にしている施術家で、モルフォセラピーと名付けた独自の理論で施術を行っているとのこと。
人のからだは左右対称ではなく、腰痛などからだに不調がある人は決まって左側の脊柱起立筋が硬く盛り上がっている。
脊柱起立筋だけではなく、顔面のゆがみも左側に現れることがほとんどだそうだ。
なぜそうなるのかというと、椎骨が左にのみずれる性質(=左一側性)をもっているため。
椎骨のずれが交感神経の過緊張につながり、そこからさまざまな不調が誘発される、ということらしい。
本書の面白いところは、左右非対称=アシンメトリーという現象を、単に施術法にとどまらず、化石人骨、昆虫、仏像にまで広げている点。
なんの話をしているのか途中でみえなくなることもあるが、著者自身の歩んできたユニークな人生をたどる話題としておもしろいのはおもしろい。
著者のモルフォセラピーの中心テーマは「椎骨は左側にのみずれる」という点。
本書の価値は、これがほんとうなのかどうかにかかっているのだが、施術家としての著者の経験のみに基づいており、裏とりは残念ながら不十分。
整形外科の医師と協力するなりして、左一側性説の補強があればなおよかったと思う。
ともかく、そういうことはこれまでまったく気にしたことがなかったが、顔は外から見てもわかるので、電車やバスの中でも気を付けて観察してみたい。

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さんの書評2018/02/23

β-グルカンが好中球を活性化し、細菌やガン細胞が除去される、ということらしい

サプリメントの効果について、いろいろ調べているなかで手に取った一冊です。
本書は、β-グルカンという名前で知られている食物繊維の効果について、いろいろな研究結果を紹介したもの。
ざっくりといえば、β-グルカンが好中球(顆粒球のひとつ)を活性化するので、有害な細菌やガン化した自己細胞の除去に効果がある、ということらしいです。
β-グルカンはキノコや酵母などの細胞壁を構成物質で、そんな分子量のおおきなものが腸壁をどうやって通過するのかにも興味があったのですが、やはりパイエル板のM細胞がエンドサイトーシスで取り込むとのこと。
一般には「食物繊維は消化されないので体内には取り込まれない、栄養素にはならない」とされていますが、そう単純なことでもないとわかったのが収穫でした。
ひとつ気になったのは、β-グルカンが顆粒球を無条件に活性化するとなると、顆粒球過多が原因とされる疾病、たとえば関節リウマチや胃潰瘍、痛風、白内障、クローン病などは症状が悪くなるのではないか、という点です。
顆粒球は54~60%が適正な割合だと聞きますが、β-グルカンを摂取し続けても、60%を越えてまでは増えないような仕掛けが別にあるのでしょうか?
そこがちょっと気になりましたが、総じて研究者が執筆したとても真面目な内容で、売らんがための誇張もなく、信頼は置けると思います。

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さんの書評2018/02/17

なるほど、これが反知性(主義)か、と思った

ある種の絶望感を含んでいるタイトルに興味があって手に取った。
しかし、昨今TVや新聞を賑わす「冷たい」出来事は縷々つづられているが、「正体」についての考察はほぼ、ない。
たとえば、イスラム国の取材中に拘束されて殺害されたジャーナリストについて、世論が冷たい反応をした件。
日本の世論が「そんなところに行く奴が悪い」という冷たい反応だった、と指摘はしているが、なぜ、日本人がそういう反応になってしまったのかは論証がない。
(ちなみに、そういう冷たい反応だけではなかった、とぼくは記憶している)
ほかにも、なんの証明もなしに東條英機は自決しなかったので卑怯者だといい、大正時代がいちばんよかったという。
東條英機なんて、自ら恨みを持っているはずもなく、会って話をしたこともない歴史上の人間のことを、どういう料簡で非難する(批判ではない)必要があるのか、その意味がわからない。
あなたにはなんの関係もないだろう、と思う。
利害関係がなくてもどうしても批判したいモチベーションがあるなら、徹底的に調べつくして、瞼の裏に本人をすえて非難すべきではないか。
著者が東條非難の唯一の根拠とした「生きて虜囚の辱めを・・・」のくだりは、言葉の裏に別の意味、解釈がある。知らぬはずはなかろうが・・・
また、大正時代が素晴らしい、というのも、別に「好き」はかまわないが、平成の最後の今よりも「良い」というなら根拠がいるだろう。しかしなんの論拠も提示されない。
大和和紀の「ハイカラさんが通る」のファンタジックなイメージが現実だったならいいんだが、大正、昭和はまだ東北地方は冷害による飢饉で苦しんでいた。
婦女子の身売りも茶飯事だったとの記録が多数ある。
そしてそれが二・二六事件から太平洋戦争までシームレスにつながっていった。そのことを知らぬはずもないかろう。
仮説の裏付けをしない単なる印象論という意味では、著者が批判するTVのコメンテーターとなんら変わらないと思う。
ちゃんと裏をとらず、第一印象の好き嫌いをそのまま善悪の価値判断に転換する。
最近はやりの「反知性主義」というタームを(懐疑的に)調べているが、なるほど、これが反知性(主義)か、と思った。

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さんのコメント2018/03/20

事典としての情報量はさほど多くはありませんが、これだけたくさんの精油を一挙に掲載した書籍は珍しい。
スイートオレンジ、ビターオレンジ、ブラッドオレンジがそれぞれ別の精油として独立して載っている本は初めてみました。
またすべての精油に原料植物の写真ではなく、イラストが付されている点もたいへん参考になります。(植物は写真ではかえってわかりにくい)
一点だけ残念なのは、香調でグルーピングされていて、あいうえお順になっていないこと。
知りたい精油がすぐに引けません。
巻末に効能表があって、そこから手繰ることもできなくはありませんが、事典としてはやはり使いにくいですね。
この点を差し引いて★4にしましたが、内容に比べて価格も安めですし、一冊持っておいても損はないと思います。

さんのコメント2018/03/12

BioDigitalが日本語対応しておらず、ラテン語っぽくて全然読めないうえに、辞書ツールで引いても訳語がでないことも多く困っていたが、本書は英語名はもちろん読み仮名まで振ってくれている。さらに筋がついている骨の方にも英語名と読み仮名を振ってくれていてたいへん便利だ。
筋ごとの精密なイラストだけでなく、機能、動作、支配神経、起始停止も図示されていて、とくに動作の記述がおもしろい。
たとえば、小円筋を使う動作は「目の前のものを払いのける、相方にツッコミをいれる」などとあって、実に具体的だ。
ざっと見ただけだが、ひとつ気になるところがあって、回旋筋腱板は肩甲挙筋、棘上筋、棘下筋、小円筋の停止腱で構成されるとあるが(p117)、肩甲挙筋ではなく肩甲下筋の間違いではなかろうか?
ま、それはともかく、とても便利なので座右において都度参照したい。

さんのコメント2018/03/12

BioDitalが便利でよく利用するが、残念ながら日本語対応しておらず、しかも専門用語なので辞書ツールでも訳語がでてこないので困っていた。
本書は約206個ある個々の骨精密なイラスト、機能解説だけでなく、英語名と読み仮名(ラテン語っぽくて全然読めないので、これがありがたい)も振ってあるので実に便利がいい。
解剖学の本はたくさん見たが、骨の形状と名称についてはこれが決定版といっていいと思う。
座右に一冊、置いておきたい。

さんのコメント2018/02/20

背骨コンディショニングについて調べていて手に取った。4冊目。
背骨(仙骨、腰椎、胸椎、頸椎)のストレッチ&矯正だけでなく、ひざ痛や股関節痛など部位別の対処方法も紹介されているのがいい。
ストレッチと矯正運動についても、五段階の強度が設定されているので、痛みが強い人は負荷の低いレベル1から始めることもできる。
いままで見たなかでは、内容的にいちばん充実しているように思う。
ただ、本を読んだだけだと正しい動作でできているのか、ちゃんと効いているのかがいまいちよくわからない。
で、近場の教室に行ってみたが、誤解していた部分もあり、やはり指導してもらって良かった。
時間と場所が許せば、あわせて教室に行ってみることをおすすめします。

さんのコメント2018/02/06

抗老食、とあるが食事療法ではない。著者らが開発・販売に関わってるサプリメント(トリプトファン)の宣伝、である。
商品名は書いてないがネットで引くと「才媛美人」という商品らしい。
薬でもないのに「効くぞ、効くぞ」としっかり効能を謳っているから、薬機法に引っかかるのを恐れたということだろう。
商売としてはともかく、書籍としては実にあざといと言わざるを得ない。
そもそも、うつの原因がセロトニン不足というのも、モノアミン仮説といって、まだ証明されたわけではなかったはず。
それどころか、最初の言い出しっぺが、まちがっていたかも・・・といまや否定側に回っているという。
SSRIやSNRIなどに比べれば害は少ないのだろうが・・・
このサプリが効く効かないは横に置いといても、この本の作り方はちょっと許せない感じ。
「才媛美人」のファンの人以外には読む価値はない、と思う。

さんのコメント2018/02/03

1996年と少し古い本だが、脊柱や椎間板の物理的な強度など、参考になる情報が多い。
腰痛はヒポクラテスが記録しているくらい大昔から人類とともにある病気だが、その原因は長らく不明だった。
エックス線撮影装置が発明されて脊柱の状態が目で確認できるようになり、椎間板ヘルニアが腰痛の原因ではないかといわれたのが1932年。
その後、1977年に神経根を圧迫しただけでは痛みは起らないことが発見され、椎間板ヘルニアだけが腰痛の原因ではなく、その周辺に炎症があるときに痛みを感じることがわかったそうだ。
腰痛といえば椎間板ヘルニア、となんとなく思い込んでいたが、すでに20年以上前にそうではないことが指摘されていたことに驚いた。
最近では、脳(DLPFC)の機能低下が原因の腰痛があることもわかってきて、慢性痛についての知見はゆっくりだが、確実に進んできているように感じた。

さんのコメント2018/01/25

カルペパーの事績を調べていて手に取りました。
カルペパーその人の伝記、というよりも、彼が生きた激動の時代(=ピューリタン革命)のイギリスを描いたいわば大河ドラマです。
カルペパーは「赤ひげ先生」のごとき在野の療法家、その対極にあったのが国王の侍医を務めた大家ウィリアム・ハーヴィー。
政治、宗教における絶対的権威が破壊され、民主的で開かれた時代へと移り変わろうとしていたとき、医学もその例外ではなかった。
カルペパーはラテン語で書かれた薬局方を庶民が読める英語に翻訳したことで、当時の医学の権威たちから強烈な攻撃を受け、36才の若さで死んでからも誹謗中傷は止まらなかった。それでも彼が残した著書「English Physician」は今でも読み継がれているそうです。(先年、鏡リュウジ氏の翻訳がでましたね。)
映画にでもしてほしいような、とてもスケールの大きな物語に満足しました。

さんのコメント2018/01/19

なんとかの「正体」というとなんだか糾弾口調だが、内容は社会正義を叫ぶようなものではなく、いたってライト。
よさこいソーラン祭りとか、初詣とか、恵方巻とか、身近な事物のルーツを探ってみようという趣向である。
話題の「国技たる相撲」も実は明治くらいからの話で、神代の昔からというわけでもなさそうだ。
伝統には「長年続いてきた」というだけで一定の重みや価値がある。
が、自らの利益や目的遂行のためにありもしない「伝統」を声高に叫ぶ人はいつの世にもいるわけで、そんなフェイクな「伝統」に無批判にのっかって思考停止してしまうのはまずい。
今年は憲法改正論議もありそうだし、大事なことを判断するときは伝統的価値はいったん脇にどけて、ちゃんと今の世に生きる自分の頭で考えないといけないな、と思った次第である。

さんのコメント2018/01/19

数学の記号を事典ふうに項目を立てて並べ、その記号があらわす数学的な意味を解説するという、なかなか面白い趣向。
√(ルート)の項では、昔習った2のルートが無理数になる証明があって懐かしかったです。
最初から読んでいっても読み物として面白いのですが、やっぱり三角関数や虚数になってくるとこの紙幅では一から説明するのはつらいようです。
ある程度理解しているひと向け、ですね。

さんのコメント2018/01/18

前半は脊柱にそった膀胱経のツボの位置、後半は鍼灸の施療における禁忌と、その他の医療行為に関わる吉凶がまとめられている。
本書の面白いのは単なる漢文の和訳ではなく、そこに何が書かれているのかを調べていちいち解説を加えている点だ。
現代の鍼灸でもこれはやってはいけないとか、このツボは現代鍼灸にはない、などなどいろいろなトピックが随所にちりばめられているので、読んでいて面白い。
後半の方には今では迷信のようなこと、たとえば「元旦を挟む6日間に鍼灸とセックスをしてはいけない、すると死ぬ。p161」とかもあって、医療がこういうわけのわからない物語に取り囲まれていた時代にを少し想像できて、勉強になった。
足の裏のツボっていつからあるのかが知りたかったのだが、本巻にはなかったので、巻2Aを当たってみる。