yukawahara

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本を読め。飽くまで読め。

@yu_kawahara0416

本が好きです

さんの書評2016/03/21

2016/03/21読了。将来についての章のみ。

2016/03/21読了。将来についての章のみ。 文明崩壊の予兆も、実際の被害も、簡単な予見もできるはずの状況の中で、それでも人は破滅的な選択をするのか?作者はなるべく、崩壊が民族の性質によるという、安易で愚かな結論を避ける。さらに、人間一般が持つ錯覚や集団心理に言及しながら、「人ってこういうところがあるから、環境とタイミングによっては滅ぶことがある」と結論付ける。それはつまり、そういう人の性(さが)のようなものを自覚し、失敗例と成功例を学べば、将来の崩壊を避けることができる「かもしれない」と考えている。 キーワード:風景健忘症、埋没費用の効果(損切りできない心理)、オオカミ少年、心理的な拒絶(ダムに近い人が最も危機感がない現象)。 長いので飛ばし読み。下巻のほうが、近現代を多く取り上げている&将来についてどう活用するかについて言及しているので、こっちを読むのに時間をかければよかったかも。 読後は少しコスモポリタン?な気分になるとともに、民衆?って愚かだなぁと上から目線になった気分。 近代になり、企業活動が環境破壊の大きな部分を占めてきた時、作者は「それも合理的な考えだね、うん」と、一旦引いて冷静に考えるところはさすが、というか大企業との付き合いもあればこそか。だから嫌われるんだよこの人。でも、環境被害をうけている人たちが、必要以上に企業に対して憎悪を募らせる様を見て、作者は残念に思っているのだろうと思う。そんな暇があれば、被害状況を調査、自治体・国に民主的手続きを経て訴えたほうが「合理的」と考えるのだろう。企業は営利活動が合理、住民は訴えるのが合理、と、ちょっと冷めてる。私も同意見だけれど。 栄枯盛衰を思うとき、また読み返したい本。

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さんの書評2016/03/09

読書メモ

・はじめに 栽培面積4位(小麦・トウモロコシ・イネ・ジャガイモ) イモのイメージ、洗練されていないもの・田舎者。低評価。誤解されている。 ・毒とのたたかい チューニョ 中央アンデス高地。解毒と保存をかねた加工方法。寒暖差を利用して冷凍・解凍をくりかえしブヨブヨに。足で潰して脱水。アルカノイドが液胞に多く含まれるので解毒。乾燥させるので保存・運搬がきく。 ・・冷蔵庫でブヨブヨになったジャガイモを思い出した。 ・イモは文明を生まないか 余剰農作物=穀物≠イモという先入観。アンデス"山岳地帯(≠海岸地帯)"は高寒冷地ゆえにジャガイモが主食。骨を分析。 ・・イモは文明を生むということか。 ・ヒマラヤのジャガイモ革命 ・・イモは文明を生むし、発展もさせるということか。 ・北海道のデンプンブーム 保存・運搬のため。デンプンは水に沈む性質を利用。自給用→産業用、軍事用(日露戦争で繊維産業向けデンプン糊、WWIで輸出用デンプン糊特需、価格は10年で3倍に)。WWI終戦後下火、WWIIの食糧不足で再燃。 ・・食用から日用品にばける。イノベーションすなぁ。 ・偏見をのりこえて 国際ポテトセンター(CIP)というのがある。世界中の研究者(社会科学・分類学・遺伝育種学・昆虫学・病理学・生理学etc)。 品種改良の悩みどころ。高収量品種→低耐病性・高価・不味・肥料増→貧困地域で普及しない。 ・・不味いというのはマズイな。ダサい=ブランドイメージが低いと研究者も集まらんのだろう。

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さんのコメント2016/03/21

2016/03/21読了。長い。でも、面白い。特にそれぞれの文明が崩壊していく様、原因の描写が細くて読ませる。だから、長くなる。 現代が懸命な文明か。読みながら考えさせられる。 文明崩壊の条件はヒントになる。 政治(とくに差別問題)が絡み、中々科学的な議論ができないという問題も驚いた。 先祖がポカしたのを、現代の末裔が、それも大体少数民族化している弱者が、時代を超えて指摘されるのは、確かに気持ちのいいものではないとは思う。 下巻は、将来に向けた話だけ読む予定。長いから。

さんのコメント2016/03/12

2016/03/12読了。 爆笑問題の番組で気になってた教授の新書。 読み出してからわかってビックリ。 最終章のナマコは、世界への自分の姿勢を考えるヒントになった。好きなことを素直にしている人は、どこか余裕がある。どこか余裕があるから、結論を急がない。結果、大きな間違いをおかしにくい。 人間は脳が賢いが、ナマコは体が賢い(脳はない)のは、痛烈な皮肉。私は『賢い』だろうか。 自然をある種の合理的なものと見て、礼賛しすぎるところは、あまりいい気分では読めなかった。