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昼間はサラリーマン

さんの書評2018/03/30

仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?

仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?

「知っているか、知らないか」、「やるか、やらないか」で累乗で差がつく。
まさにその通りである。
この本には何を知るべきなのか。やるべきなのかをどのように判断すればいいのかが列挙されており、内容は納得するものばかりであった。
但し、この本を読んだからと言ってやれる保証はない。
例えば、新人が会議中にPCを開いてメールを打つなどは到底、日本の企業では考えられない。
つまり、知っていても実行に問題が生じることが現実世界では多くあり、それを回避する方法は示されていない。
以下、本の内容で気になった部分を示す。

打合せの「持ち帰り」をゼロにする。
ミーティング中に担当者に確認しなければならないことが出た時点で、素早く担当者にメール。しかもCCメンバーに「CC各位 このメールを見たら本人に伝えてください」

打合せは終了時刻を「宣言」してから始める。
ゴールを設定
時間配分を宣言
惰性で30分、60分に決めない

「とりあえず」、「いったん」は禁句
「忙しい」とは言わない

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さんの書評2018/03/17

最強の独学術 自力であらゆる目標を達成する「勝利のバイブル」

最強の独学術 自力であらゆる目標を達成する「勝利のバイブル」

この著者「本山勝寛」氏は非常に考え方を構造化しており、なぜそのような行動をすべきなのかを理論立てて自らが納得する形で独学を進めている。
まずこの独学がなぜ最強なのか?を自らの経験と現在の状況を顧みて理由を説明し有象無象の読み手を独学術の入り口まで誘い、どのように実践すれば良いのかを実生活に落として説くので非常に説得力が感じられる。
独学術も「独学1.0」、「独学2.0」、「独学3.0」と実践すべき目的、目標を明瞭に示し、その結果、応用を諭す。
各章はそれぞれを更に分解し、読者に生活を想定した内容に合わせ具体的な手法を示し、更に最後にまとめを作り、再確認を行う。
その流れは淀みなく、一気に読める。

独学1.0←独学でのインプットとアウトプットの重要性を説き、現在だからこそ可能であることを示す。アウトプットでは客観的な結果を求め、インプットの改善を図り知識のアップデートを進める。その場で求められる問題への解決(例えば、試験)を想定
独学2.0←自分の知的資産を増やす未来への投資であると同時に、自分自身の知のレベルをアップデートさせる。つまり、現在直面している問題に対応するための知識ではなく、その周辺への造詣を広げ深化させる独学術であり、どのように楽しむのかを説く。
独学3.0←そんな変化にも対応し、進化し続けるための独学術。独学1.0、2.0を実践し、現実世界での応用方法を説く。一生伸び続けるための極意であり、新しい時代を切り拓き、夢を叶えるための力の貯る重要である。

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さんの書評2018/03/11

仕事が速い人はどんなメールを書いているのか

仕事が速い人はどんなメールを書いているのか

5つの視点で考える”仕事が速い人”の発想
①目的を意識しているか?
②ビジュアルを工夫しているか?
③確実に返信がもらえるか?
④相手の心に刺さる言葉を使っているか?
⑤スピーディーに処理しているか?

特に①は何にしても重要であるが、メールという作業になると思考停止してしまうのか非常に①を意識していないメールが多い。
③、④は努力し続ける必要があるが、⑤に関しては面白い示唆に感じた。
重要度が低いからと言って後回しにしないで順番に処理するというところ。
筆者はメールは優先順位をつける必要がない典型的な業務と断じている。
(無駄な)判断を減らすことで集中力を無駄使いしないことが効率化に結び付くのであろう。

そのほか、以下の部分が著書の中から気になったので記載する。
③「逃げ道」を用意して催促メールを送る
返信をもらいたいが、遅れていることを責めてしがいがちで、その結果相手に不愉快である旨をメールに込めてしまい、その後の関係が悪化しかねない。
『前回のメールがわかりづらかったような気がしたので、改めてご連絡しました。』

「4日までに返事をください」「4日までに資料を送ってください」とだけ書くと有無を言わさず命令するようなニュアンスになります。
一方的にならないためにはどうすれば良いのか?
まず、日時を決めるときには相手の都合をきちんと考慮すること
『4日の13時ころまでに頂きたいのですが、可能でしょうか?』

④相手の心に刺さる言葉を使っているか?
正しく伝わっても、印象が悪ければ気持ちよく動いてもらえません。
仕事のスピードを上げたければ、自分の努力だけでは限界があるということ。あいてが 気持ちよく動いてくれるからこそ、結果的に仕事が早く進む
集合時間に遅れずに来てください。→集合時間に間に合うように、余裕をもってお越しください。
勝手にデータの修正を行わないでください。 →データの修正が必要な時は、担当者にご連絡をお願いいたします。
~ください。 →~いただけますでしょうか。
させていただきます。 →いたします。で事足りる。

即レスできない場合は、いったん受領メールを送付する。
そうすることにより送り主に無駄な心配を掛けることがなく、それに起因するこちらへの問い合わせも減る

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さんの書評2018/02/04

やり抜く力 GRIT―人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
ベストセラーであり、内容は確かに腑に落ちる部分が多い。
しかし、この本の幹となるのは色々と実用書やビジネス書に様々な言葉で語られている成功の秘密やその実体を”GRIT(やり抜く力)”と言葉で定義し、リフレーミングしている部分であろう。

以下に一部を抜粋する。
「我々の虚栄心や利己心によって、天才崇拝にはますます拍車がかかる。天才というのは神がかった存在だと思えば、それに比べて引け目を感じる必要がないからだ。『あの人は超人的だ』というのは、「天賦の才を持つ人」を神格化してしまった方が自分の尊厳が守られるのだ。
ニーチェは偉業を達成した人々のことを「天分だの、天賦の才だの言って片づけないでほしい。才能に恵まれていない人々も、偉大な達人になるのだから。偉人たちは努力によって偉業を成し遂げ(世間の言う)”天才”になったのだ。」

「スキル」と「成果」の違い
努力をしなければ、たとえ才能があっても宝の持ち腐れ。
努力をしなければ、もっと上達するはずのスキルもそこで頭打ち
努力によって初めて才能はスキルになり、努力によってスキルが生かされ、さまざまなものを生み出すことが出来る。

『何度やってもダメだったら、ほかのやり方を試すこと』

成熟した「やり抜く力」の鉄人たちに共通する4つの特徴
1.<興味>自分のやっていることを心から楽しんでこそ「情熱」が生まれる。自分の仕事の中で、あまり楽しいとは思えない部分をはっきりと認識しており、多くの人はちっとも楽しいと思えないことも、少なからず我慢していた。とはいえ全体的には、目標に向かって努力することに喜びや意義を感じていた。だからこそ尽きせぬ興味と子供のような好奇心をもって「この仕事が大好きだ」と言える。
2.<練習>自分の弱点をはっきりと認識し、それを克服するための努力を日々繰り返し、何年も続けなければならない。「何が何でも、もっとうまくなりたい!!」
3.<目的>自分の仕事は重要だと確信してこそ、「情熱」が実を結ぶ。多くの場合、一つのことに興味を持ち続け、何年も鍛錬を重ねたのちに、「人の役に立ちたい」という意識が強くなるようだ。
4.<希望>困難に立ち向かうための「粘り強さ」だ。様々な挫折を経験して、打ちのめされる。そのたびに立ち上がり、「やり抜く力」を発揮するためには希望をいつも持ち続けなければいけない。

「好きなことを仕事にする」は本当にいいことである。
第一に、人は自分の興味に合った仕事をしている方が、仕事に対する満足度がはるかに高い。
第二に、人は自分のやっている仕事を面白いと感じているときの方が、業績が高くなる。
なにをするにしても、その人がどれくらい成功するかを左右する「決定投票」は、その人がその仕事を「どれだけ切望し、どれだけ強い情熱と興味を持っているかにかかっている」

子供は教わるのは苦手だが、マネするのは非常に得意である。

子供の育て方は「優しい育て方」と「厳しい育て方」はどちらか一方しか選択できないようなものではない。「愛情ゆえの厳しさ」について、「愛情をもって子供の自主性を尊重する」か、「断固たる態度で親の言いうことを聞かせる」か、その二つの間の妥協点を探ることだと考えるのは間違っている。
「何をするべきか」「どれくらい努力すべきか」「いつならやめてもよいか」など重要なことは、必ずしも子供に判断を任せなかった。

自分の子供の「やり抜く力」を引き出したいなら、まず「自分が人生の目標に対してどれくらいの情熱と粘り強さをもって取り組んでいるか」、次に「子供が自分を手本としたくないような育て方をしているとおも

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さんの書評2017/11/11

医学常識はウソだらけ(図解版)

医学常識はウソだらけ(図解版)

健康の重要な要素、病気の予防はこの著者三石巌によれば①高タンパク質 ②メガビタミン ③スカベンジャーである。
個人的には納得できる部分もある。
現在の医学は対処療法であり、実際にはその副作用も多く、高血圧やコレステロール値による未病の提示など曖昧な表現を嫌う著者はバランスが良い食事などを避けつつ、どのようにすればよいのかを記載している。
実際に薬学を勉強してきたのでこれらの部分に対する著者の主張は良くわかる。
また①についてもその通りであると思う。活性酸素の除去がベースになるものよくわかる。
但し、②は良くわからない。
どのような状態がメガビタミンなのか?まさに曖昧である。
ビタミンについては水溶性、脂溶性があり中毒症もあることはこの著者であれば存じているはずだがそれについての記述は見当たらなった。(図解版だからか?)
ビタミン至上主義者はビタミンの効用について、どのように実験された結果なのかを知らないのでその点は論じるべきだと思った。
例えば、ビタミンCの抗酸化作用を発揮した実験はすべてin vitro(つまり、人体ではなくシャーレの上)である。実際、ビタミンCが効力を発揮するのはミトコンドリア内においてであり、そこに至って初めて抗酸化作用(活性酸素除去)を示す。
しかし、経口摂取したビタミンCがそのままミトコンドリアに取り込まれている証拠は現在ない。ビタミンEについても同様である。
また③スカベンジャーとした抗酸化作用を有する食品に含まれる抗酸化物質も同様である。ワインは身体に良いとした論文はすべて西洋人を使用した実験(しかも、統計学的に結論されたもの)であり、スカベンジャーの効用もin vitroである。
それらを奨励するのはあまり関心はしない。
また分子量が大きいこれらの抗酸化物質を分解したものを摂取するように勧めているが、それでは抗酸化を示すのであろうか?
大筋は納得できるが、細部に疑問を抱くものであった。

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さんの書評2017/11/11

東京五輪後の日本経済

東京五輪後の日本経済

元日銀審議委員である白井さゆり著書
日銀総裁黒田氏が進めている経済施策「異次元緩和」、俗にいう「黒田砲」に市場が沸き、円安、株価の続伸が引き起こされた。
当時、民主党のハトポッポに始まった市場の冷え込みに対して、これらの施策により現在の日本経済は良くなったと思われる。
ただ市井の者にとって、何が異次元なのか?なぜ、株価の上昇に伴った実生活への実感が少ないのか?を丁寧に説明されている。
その中で「デフレマインド」と言われている日本特有と思われる曖昧な言葉の定義と、そこから導き出されるデフレマインドの意味が非常にわかりやすい。
そして、異次元緩和がどれほど異次元なのか?何が異次元なのか?が非常にわかりやすい。
世界的に見ても日本株式市場がどれだけ異常か?本当に異次元と化しているのか?読後に心底ぞっとした。
それは日銀のバランスシートなど普段は見ることはない実際の数字を用いた客観的なもので東京五輪後と銘打っているが、その前後に起こるであろう可能性はこの本を読むまで漠然とした不安であったが、確信へと変わる銘書である。
また日本だけでなく、中国、アメリカ、EUについても丁寧に書かれている。
ブレグジットが起こった時、なぜイギリスのシティが微動だにしなかったのかも説明されている。
それらは独自の視点だけでなく、海外の要人や専門家たちの意見も含めてあり偏りが少ないもののように感じる。
更にヘリコプターマネー、シムズ理論なども紹介しており、どのように日本経済を救うのか?についても論じられている。
以下、この本の中で気になった部分を抜粋する。

東京五輪後、再び金融危機はやってくるのか?
これまで起こったのと同じパターンの金融危機は、二度と起こりません。
但し、新たに金融危機が起こる場合、そのパターンはこれまでに見られなった「予期せぬもの」になる。
東京五輪後の不動産価格は日本の人口減少も伴い、決して明るいものではない。
2013年頃から不動産価格が上昇に転じたのは、日本銀行の大規模な金融緩和政策と東京五輪開催決定が重なったからです。
東京五輪後に、これに代わる好材料が現れなかったとすれば、その後何年にもわたって不動産価格が低迷し続けたとしても、不思議ではないのです。

日本の株価が「実力ベース」となるとき
企業のコストカットの努力にも当然限界があります。また、為替については、東京五輪開催前後にかけて、いったんは円高方向に触れる可能性があります。
こうなると、日本の株価には「日銀の退場」「企業のコストカット努力の限界」「円高」という「三重苦」が襲うことになります。
つまり、為替相場は近い将来、「インフレ率の差」「経常収支の差」に「日銀の退場」という円高圧力の要因も加わり、ここでも「三重苦」に襲われる可能性が高い。
2030年には政府債務は対GDP比で300%を、2040年には400%を超える。
この時、懸念されるのが「円の大暴落」という事態です。
しかし、それは少なくとも今すぐには「起こりにくい」と考えています。
なぜなら、日本人はきわめて「ホームデバイス」(資産を日本円、あるいは円建ての資産形成している)からです。

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さんの書評2017/10/14

梅干しと日本刀

梅干しと日本刀
モーニングサテライトの「リーダーの栞」で紹介されていたのを観てこの本にであった。
過去を否定するのではなく、日本人の特性から生まれた伝統を振り返り、西洋文化が流れ込んできた明治以降、現在に至るまでに失われた隠れた風土、経験に根差した科学を礼賛する本である。
過去を礼賛する本は過去、谷崎潤一郎「陰翳礼賛」を読んでおり、その淀みのない文体と着眼点に甚く感動したためこの本にも期待していた。
しかし、前書きにも書かれているがこの本は基本的に口述紙であり、その結論に至った引用文献や科学的な裏付けが非常に弱い。
例えば、現在の日本において人間関係は希薄になっており、隣人の死を知らずに放置している事件が頻発しているとこの本では紹介されている。
確かに隣人との交友関係は現在、希薄であり、隣人はどのような人かを知らずに生活しており、田舎の方がその点、接点が多く、町もしくは集落単位で相互に人の目が行き届いており、隣人の死に気づくことも多かったはずである。
しかし、隣人の死の放置は本当に多くなったのであろうか?
現在であればインターネット、テレビがあり、過去は新聞が、その前は口伝が主な連絡手段であり、情報の伝達スピードがそもそも異なっており、耳に入る事件の量もスピードも異なる。つまり、事件の発生頻度自体の違いではなく、肌感覚で多く感じているだけではないのではないか?
せっかくの復刊版であるのでいくつかの点について引用文献などを調査するなどして精査することは可能であったので非常に残念である。
このような部分は多々あり、日本語の日常用語が世界一多いなどは調査すれば間違いであることはすぐに判明でき、注意書きなどできたはずである。
また文章の結びの殆どが「~と思う。」、「~であろう。」で終わるのは、筆者が考古学者という科学者を謳うならば落第点を押されても仕方がない。

一方、日本の城郭は堀であり、西洋の城の城壁とは異なる理由の考察などは非常に面白い。しかしその点に関しても、もっと地政学的な違いなどの説明があればより深い洞察が出来たのではないかと感じる。
礼賛することにより、過去を美化し、現在に一石を投じることは良いことではあるが、ただ無条件に礼賛するのではなく、もう一歩進んだ洞察、提案などがあれば良かったと感じる本であった。

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さんの書評2017/10/07

ボクたちはみんな大人になれなかった

ボクたちはみんな大人になれなかった

Twitter発「140文字の文学者」とも呼ばれる燃え殻さんの作品
うだつの上がらない若者が20代前半で自身の仕事の激しい変化の中で、心身を疲弊していく中で、一服のオアシス的な存在である”ブスな彼女”に安らぎを求めるが、ついには別れてしまう。
しかし、ある日facebookで結婚した彼女を見つけてしまい、間違って友達申請してしまう。
これを機に昔の思い出に浸りながら、その空気、肌感を回想する話である。
twitterでは140文字の制約があるためかとても平易な文体であるが、その描写は質感を伴うもので読者としてはその刺激を皮膚で感じるためノスタルジックな描写に映る。
駐車場の金網に大きな意味もないのに、よじ登った時に指に食い込むその痛み。よじ登りながら語る相手との言葉。
全てに大きな意味はないが、そこに若さの喜び、大人、都会への反感をより歳をとって自分に感じ、共感を生む。
失ったものへの羨望を読者に隆起する。

ただ個人的にはその質感には共感は出来るが、深さを感じるものではない。
質感から心身への影響、更にはその結果遷移する自身の変化や成長、彼女とのすれ違いなどは描かれていないため物足りない。
それは別れの理由が書かれていない部分にも繋がっており、全体的にまさにゴールデン街で飲みながらトクトクと語るような作品に感じる理由であろう。
男は過去を、女は未来を見据える生き物である。と仮定すると男はこの甘酸っぱい回想に共感を憶え、自らの心に問いかけるきっかけにはなると思う。
その点で言えば、日本人の約半分には批判はあれど受け入れられるものであろう。
一方、女性にとっては「男って勝手に自分を評価してめんどくさい生き物だ。」と思われるであろう。
つまり、全ては独りよがりの本になってしまっている。
但し、独りよがりだから、この本が悪いという結論になるわけではない。
元々のタイトルから考えれば、独りよがりは織り込み済みなのであるから問題はない。
しかし、叙情詩としてリアルではあるが、個人的には少し物足りなさを感じる作品であった。

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さんの書評2017/09/26

ダイエットの科学(The Diet Myth)

ダイエットの科学(The Diet Myth)
名門ロンドン大学の遺伝疫学教授が現在、世の中で一般的に知られているダイエット法について科学的な検証を基にその内容の真贋をメタ解析など公平な分析方法を用いてまとめている。
その内容からこの本の結論は「太るのは体質であり、その体質というのは腸内環境(腸内フローラ)に左右される。したがって、腸内細菌を育み、改善するために多種多様な食品をバランス良く食べよう。」である。
腸内フローラは近年の医学界における大きなトレンドの一つで、身体的、精神的な病気の原因になり得るということが徐々に判明しており、健康の重要なファクターとされている。

以下、本に書かれていた内容の中で重要と感じた部分を抜粋する。

カロリー
体が食べ物からエネルギーを生み出すプロセスは、その食物源や、咀嚼した回数、消化しやすさ、食べ合わせなどによってかなり違ってくる。ある研究では白米はスプーンで食べるより箸で食べたほうが、血糖値の上昇と、それによるインスリンの分泌速度(GI)を大幅に抑えられることがわかっている。
多くの研究者が、このGI値は体重を調整するうえで重要だと考えているがヒトを対象とする数少ない比較臨床研究では、今のところ、GI値の多寡は体重や心臓疾患のリスク要因に違いは見つかっていない。

倹約遺伝子仮説(来る不作時期に向けて、ヒトは基本的に太るように遺伝子がコードされている)に対して、浮動遺伝子仮説がある。
これは200万年前まで体脂肪に関するヒトの遺伝子とその蓄積メカニズムは今よりも厳しく抑制されており、過度に太っていると生き延びるうえで大きな問題になったという説である。
ヒトの祖先であるアウストラロピテクスの骨格からは、腹を空かせた肉食動物に食べられるのは日常的な出来事だったという証拠が数多く見つかっている。当時は、体重が120キロもあって、サーベルタイガーの仲間の獲物とされていた。太っていると逃げ遅れるし、筋張ったヒトよりもお良かったことだろう。この二つの理由で、遠い過去に存在した肥満遺伝子は負の自然選択を受け、人の脂肪の最大量が抑えられることになった。
とはいえやはり、やせすぎても不利になった。ふつうは食べ物が豊富にあったが、冷蔵庫も冷凍庫もない当時は、だれもが非常用の脂肪を蓄えておく必要があった。つまり、極端に痩せていたり、逆に極端に太っていたりすると、遺伝子がひそかに、その中間に押し戻すメカニズムを動かしていたのである。
その後、自然界に捕食者が徐々に姿を消すにつれて、素早く逃げる必要もなくなったので、体脂肪が上限を超えないように制限する遺伝子の働きは、それ以前よりも緩やかになっていった。もちろん、体脂肪が増えないようにする遺伝子をたまたま持ち続けた人もいたが、それ以外の人では、その遺伝子の効果は弱まって、体脂肪の上限は上がった。その結果、上限まで体脂肪が増え続ける人たちがいる一方で、人口のおよそ三分の一に相当する人たちは食べ物に囲まれていても痩せたまま、という状況になったという。痩せ形の遺伝子を持つ人には、運動習慣の多さと関連する遺伝子もあることを考えれば、この説も筋が通ていると言えるだろう。

人工甘味料および保存料
誰もがダイエット飲料を好きなわけではない。味蕾が鋭すぎたり、ある種の遺伝子バリアントがある人は、その人工的な味が強烈すぎて不快に感じる、後味が嫌いだという人もいる。越した嫌悪感の原因としては、そうした飲み物に含まれている、佐藤の味を真似しようとしている化学物質の舌触りや構造に、私たちが極めて敏感だということもあるだろう。炭酸もまた別の要因で、脳をだまして、その飲料が実際よりも甘くないと思わせることが出来る。気の抜けたコーラはたいてい、飲めたものではない。
確かに、ダイエットコーラのグループの方が、体重の増え方が通常のコーラを飲んだグループよりも少なかったが、劇的に少ないわけではなかった、ダイエットコーラグループの体重増加を平均してみると、予想以上に多く、がっかりさせられる結果だった。一方、通常のコーラを飲んだグループと比べて、満腹感の違いもわずかしかなかった。
アスパルテームは脳の視床下部の細胞に影響することがあり、理論的には、食欲調節経路を混乱させる可能性もあるからだ。

ビタミン
マルチビタミンについて実施された信頼性の高い大規模な無作為化試験の結果、はっきり示されたのは、有効性は一切ないということである。むしろベータカロチンやビタミンE、更に高用量のビタミンAを含む各種サプリメントは、明らかに体に害があるというのだ、ほかの抗酸化ビタミン、葉酸、ビタミンB群を含むサプリメントにも、マルチビタミンサプリメントやミネラルのサプリメント同様に死亡率や、主要な慢性疾患の罹患率を下げる効果は見られなかった。
またオメガ3は、子供の認知機能や知能指数、注意欠陥障害には全く効果はなく、心臓疾患のリスクを下げることは出来なかった。
またビタミンCサプリメントには、風邪や、がんなどの病気を予防する効果はないという。亜鉛サプリメントなどには、前もって服用すれば風邪の回復を半日はやめられる可能性があることを示す研究がいくつかあるが、オレンジやブロッコリーにも同じ効果がありそうだ。
ビタミンD不足の解消には日の当たるところに1日10~15分座って、顔や腕に太陽光を当てる、あるいはそれが難しい場合は、脂肪の多い魚を食べると良い。
太陽光はメラノーマの「原因」だといわれるのを耳にする。しかしメラノーマの研究が示していたのは、日常的な強い日焼けと、メラノーマのリスクのわずか50%の増加に関連性があるということに過ぎない。つまり、太陽光の浴びすぎで説明できるのは、メラノーマの症例のうちのせいぜい4分の1足らずなのだ。こうした比較的穏やかなリスクは遺伝子によって決まる肌の色のタイプ違いを考慮すれば、見えなくなってしまう。実のところ、メラノーマの主な原因は遺伝子と不運であり、太陽光のせいではないのである。
またビタミンDのサプリメントを摂取した軽9万5000人以上の被験者を分析したところ、サプリメントが死亡率や骨折の発生を抑えていることを明確に示すエビデンスは見つからなかった。

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さんの書評2017/06/24

失敗の科学

失敗の科学
失敗を失敗のままにしない仕組みを精緻に組んでいる航空業界とその対岸に位置するとされる医療業界を中心に失敗を多くの事例を示しながら、科学的に平易な言葉で簡潔にまとめ上げられている良書であった。
特に成長するためには失敗を称賛する環境を作り、文化とする土壌が必要であることが重要である。
個人を攻撃するのではなく、失敗を成長の糧と捉え、適切なフィードバックを行い集団として改善を進めるべきであることがこの本には事細かに記載されている。

以下、著書から引用する。
クローズド・ループ現象のほとんどは、失敗を認めなかったり、言い逃れをしたりすることが原因で起こる。
疑似科学の世界では、問題はもっと構造的だ。つまり、故意にしろ偶然にしろ、失敗することが不可能な仕組みになっている、だからこそ理論は完璧に見え、信奉者は虜になる。しかし、あらゆるものが当てはまるということは、何からも学べないことに等しい。

いわゆる「一万時間ルール」(才能が開花するまでには1万時間の訓練が必要という法則)だ。もちろん誰でも世界チャンピオンになれるわけではないが、たいていの人は努力によって熟達できる。
しかし、全く異なる研究結果も出ている。職種によっては、訓練や経験が何の影響ももたらさないことが多いという。例えば、心理療法士を対象にしたある調査では免許を持つ「プロ」と研修生との間に治療成果の差はみられなかった。なぜか?
ゴルフに例えると練習場で的に向かって打つときは1回1回集中し、的の中心に近づくように少しずつ角度やストロークを調整していく。
しかし全く同じ練習を暗闇の中でやっていたとしたらどうだろう?10年頑張ろうと100年続けようと、上達することはない。試行錯誤が不可能なのだから。
心理療法士の仕事は患者の精神機能を改善することだ。しかし治療が上手くいっているかどうかは、何を基準に判断しているのか?フィードバックはどこにあるのか?実は心理療法士のほとんどは、治療に対する患者の反応を、客観的なデータではなく、クリニックでの観察によって判断している、しかしその信憑性は、甚だ低い。患者が心理療法士に気を使って、状態が良くなっていると誇張する傾向があることは、心理療法の問題としてよく知られている。
心理療法士は、治療によが成功した患者の精神機能がそのあとも良好かどうか、あるいは結局失敗に終わったかどうか、全く知らない。つまり、治療の長期的な影響に関するフィードバックが全くないのだ。
こうした新弾力や判断力を高めたいときに大事なのは、熱意やモチベーションだけではない。暗闇に明かりをつける方法を探すことが肝心だ。間違いを教えてくれるフィードバックがなければ、訓練や経験を何年積んでも何も向上しない。

自分の失敗を隠す「内因」が認知的不調和(自尊心や保身による内発的な動機付け、言い訳、バイアス)だとしたら、「外因」とも言えるのが、非難というプレッシャーだ。非難の衝動は、組織内に強力な負のエネルギーを生む。
何かミスが起こった時に、「担当者の不注意だ!」「怠慢だ!」と真っ先に非難が始まる環境は、だれでも失敗を隠したくなる。しかし、もし「失敗は学習のチャンス」と捉えられる組織文化が根付いていれば、非難よりもまず、何が起こったのかを詳しく調査しようという意思が働くだろう。
適切な調査を行えば、ふたつのチャンスがもたらされる。ひとつは貴重な学習のチャンス。失敗から学んで潜在的な問題を解決できれば、組織の進化につながる。もうひとつは、オープンな組織文化を構築するチャンス。ミスを犯しても不当に非難されなければ、当事者は自分の偶発的なミスや、それにかかわる重要な情報を進んで報告するようになる、するとさらに進化の勢いは増していく。

成長型マインドセットは「合理的に」諦める。
成長型マインドセットの人ほど、諦める判断を合理的に下す。成長型マインドセットの人にとって『自分にはこの問題の解決に必要なスキルが足りない』という判断を阻むものは何もない。彼らは自分の”血管”を晒すことを恐れたり恥じたりすることなく、自由に飽きられることができる。
つまりそれは引き際を見極めてほかのことに挑戦するのも、やる抜くのも、どちらも成長なのだ。そして、我々が最も早く進化を遂げる方法は、失敗に真正面から向き合い、そこから学ぶことなのだ。

互いの挑戦を称え合おう。実験や検証をするもの、根気強くやり遂げようとするもの、勇敢に批判を受け止めようとするもの、自分の仮説を過信せずに真実を見つけ出そうとするものを、我々は賞賛すべきだ。
「正解」を出したものだけを褒めていたら、完璧ばかりを求めていたら、「一度も失敗せずに成功を手に入れることができる」という間違った認識を植え付けかねない。
自分の考えや行動が間違っていると指摘されるほどありがたいものはない。そのおかげで間違いが大きければ大きいほど、大きな進歩を遂げられるのだから。批判を歓迎し、それに対して行動を起こす者は、友情よりもそうした指摘を尊ぶといっていい。己の地位に固執して批判を拒絶する者に成長は訪れない。

データとフィードバックは有意義な進化への舞台に「明かり」を灯す。ポイントは、判断力を養える環境を作ることだ、有意義なフィードバックなしに改善は望めない。間違いを警告してくれる「信号」をシステムの中に取り入れることが肝心だ。

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さんのコメント2017/04/16

教える技術
行動科学を使ってできる人が育つ
「叱る」際のポイント
人格や性格を叱ることは間違い
「どうしていつもモタモタしているんだ」「そんな性格だから売れないんだ」など人格や性格を叱ることは間違い
あくまで焦点はその人の「行動」
・やらなければならないのに、やらなかった行動
・やってはいけないのに、やってしまった行動
実行してほしい行動は、具体的な表現で説明し場合によっては具体的な改善策やアイデアを与える。

さんのコメント2017/03/18

社会人になってもちゃんとした意味を理解しないために使用を控えてきた言葉の成り立ちから漢字の意味を知ることができ、有益なものであった。
以下にいくつか列挙する。

幾重にも御礼申し上げます。
ご隆昌の段、慶賀の至りに存じます。:言祝ぎ:ありがたい素晴らしいことがたくさん次々と起こりますよう
敷衍:抽象的なことを具体的に話す。
忖度する:相手のことを推し量る。
あまつさえ:そのうえ、驚いたことに、あろうことか
いみじくも:まことにうまく、適切にも、巧みにも、まさに、よくも
縷説する:よく言えば「丁寧」、悪く言えば「くどい」
雅致がある:趣がある。

さんのコメント2016/11/05

基本的なことではあるが、非常に有益であった。
特に実際の事例を元に流れや、その理由を丁寧に説明し、思考の整理を行うのに重きを置いているので、紹介されている業種以外であってもすぐに自分の仕事に落とし応用できるようになっている。
別段、究極のメソッドや解決策を幇助しているわけではなく、一般的であり、且つデキる営業は自然と行っていることではあるが、平易な営業だけでなく、研究、間接部門などBtoBに関わる全ての業種において思考の整理や行動の改善に向けて十分に得るものがあると思う。
特に”主語を「あなた」の二人称にする”は自分でも希薄になっていたと感じるものであり、自分の仕事を振り返り、修正すべきところがあると感じた。