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コラーゲンがエンドサイトーシスで消化されずに取り込まれる可能性があるとは驚いた

コラーゲンやグルコサミン、コンドロイチンなど分子の大きなサプリは胃や腸で分解されてから体内に吸収されるので摂取しても意味はない、という話を信じていたが、本書を読んでびっくり。 ・グルコサミンは単糖類なのでそのまま吸収される(p42)、 ・Ⅱ型コラーゲンは構造が熱で変性していないもの(=非変性)に限り、そのままの形で取り込む(p107) とある。 Ⅱ型コラーゲンはパイエル板が抗原として認識し、エンドサイトーシスでリンパ節内に取り込む。 取り込まれた非変性Ⅱ型コラーゲンが免疫応答を抑える制御系T細胞を誘引し、結果、膝軟骨のコラーゲン分解を止める、ということらしい。 年をとって軟骨がすり減り痛みがでるのだから軟骨の主成分Ⅱ型コラーゲンを摂取して増やそう、ということだと思っていた。 が、そうではなく、Ⅱ型コラーゲンの経口摂取が腸管免疫に働いて過剰な免疫反応を抑えるという説である。 まだ人体で証明されたわけではないらしいが、関節リュウマチにも効くということなら、おおいに信ぴょう性はある。 ポイントは「非変性」というところだ。 Ⅱ型コラーゲンは鶏の胸部軟骨(=いわゆるヤゲン)に多く含まれるらしいが、たいていはよく焼いていて生で食べたことはない。 生でも食べられるものか、ちょっと調べてみたい。 ともあれ、コラーゲンがエンドサイトーシスで消化されずに取り込まれる可能性があることを知って、たいへん勉強になった。

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