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さんの書評2018/11/14

「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明

「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明 『イノベーターのジレンマ』は1997年にベストセラーとなったアメリカハーバード大学のクレイトン・クリステンセン著書の有名な本である。 原書となる本を読んでないので比較は出来ないが、HDD業界の栄枯盛衰な世代交代をネタにその原因を記しているとのことだが、この本の中でかなり噛み砕いて説明している。 要は「既存企業は失敗した。その原因は、経営陣がバカだったからだ」 そのことについて著者は思考停止であると指摘している。 著者は動学ゲームと技術革新の実証分析を専門としているため、イノベーターのジレンマ、その原因をじっくりロジックで考え、しっかりと定量的なデータから論理と現実とを接続して実証分析をしてくれている。 つまり、結論ではなく実証過程を味わう本である。 その実証過程は非常に明瞭であり、痛快さすら漂う。 また難しい話が続いた際は程よく軽い話を挟む内容で飽きさせない。更に、著者が気にしている思考停止に陥らないために、どのようにしたらこのジレンマから逃れることが出来たか?までも記載されている。 小難しいが理解し、実際の仕事に使用できるようになれば非常に強い武器となるだろう。 経営やそれなりの立場にいるものは、根性や義理人情など目に見えないものにすがるよりこの本にすがる方が答えは明確になるだろう。 つまり、その者にとって”絶対、買いの本”である。 処で、結局、HDD業界を定量的に分析した結果は 「既存企業は抜け駆けの誘惑に強く駆り立てられている。」 「イノベーション能力も、実はかなり高い。」 「にもかかわらず腰抜けなのは、主に共食いのせいである。」 但し、それだけでは終わらない。その解決方法を模索し、以下の3点に要約 ①既存企業は、たとえ有能で戦略的で合理的であったとしても、新旧技術や事業間の「共食い」がある限り、シンザン企業ほどにはイノベーションに本気になれない。(イノベーターのジレンマの経済学的解明) ②この「ジレンマ」を解決して生き延びるには、何らかの形で「共食い」を容認し、推進する必要があるが、それは「企業価値の最大化」いう株主(つまり私たちの家計=投資家)にとって利益に反する可能性がある。一概に良いこととは言えない。(創造的「自己」破壊のジレンマ) ③良くある「イノベーション促進政策」をに大した効果は期待できないが、逆の言い方をすれば、、現実のIT系産業は丁度よい「競争と技術革新のバランス」で発展してきたことになる。これは社会的に喜ばしい事態である。(創造的破壊の真意) 以下、この著書にある読書案内である。 ①ミクロ経済学の力 https://goo.gl/emHL3Y ②レヴィット ミクロ経済学 基礎編 https://goo.gl/WZLR4W ③「原因と結果」の経済学 データから真実を見抜く思考法 https://goo.gl/XHBBgA ④計量経済学の第一歩 実証分析のススメ https://goo.gl/7GFLfS そのほか⑬まで紹介されている。

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