さんの書評2018/02/04

戸籍や法律から性別を削除しても、別に困らないような気がしてきました

タイトルを見て、???と思って読んでみました。
著者はLGBTについての発言でネットでは著名人とのこと。本書はブログに加筆編集したものだそうです。
タイトルの「ハッピーエンド」というのは恋愛における結婚のことで、「殺されない」というのは結婚という価値観あるいは社会のルールに縛られて自分らしさを失わない、という意味です。
著者はLGBTを公言していてそもそも結婚というのが大きなハードルになっているうえに、さらに最近、離婚したとかで、ずいぶん叩かれたそうです。
ぼくはLGBTの人の生きにくさというのはわかりません。
が、LGBTに限らず、社会の王道、常識、ルールからはずれると、大なり小なり未舗装のけもの道を歩かないといけなくなる。
それが自分で選択したものならともかく、LGBTの場合は生まれてきた時からけもの道を歩かざるを得ない。
その疎外感というか無価値感というか、自尊心が育つ環境にいない感覚は、経験したひとでないとわからないんだと思います。
最初これを読んだ時、自分のことばかりでこの社会を維持することへの責任をどう果たしていくつもりなのだろう、と思いました。
たとえば、年金は世代間互助のしくみですが、同性婚ばかりになると子供が生まれないので、この社会制度への責任は果たせなくなる。
村人100人全員が同性婚なら、年を取った時に誰も支え手はいないわけで、それならそれでいいんですが、実際にはそうはならない。
他人が生んだ子供たちの世話になるわけです。
が、読み進んでいくうちに、LGBTの人たちはそれ以前に社会にちゃんと混ぜてもらっていないところが問題なんだとわかりました。
同性婚をすると子供が減って年金が破たんするとしたら、それは同性婚を選択した人たちのせいじゃなくて、社会設計のせいですね。
しかし、これはほんとうに難しい。
性別は男と女だけはないという前提で、いちから社会制度を設計しなおさないといけない。
「ホンマでっか!?TV」の池田先生が言ってましたが、男と女は生物学的にもシームレスだそうです。
そういうことなら、あらゆる法律から性別を削除するのがいちばんいいんでしょう。戸籍やなんやかやも含めて。
うーん、それでも別に困りはしないような気がしてきました。それに気づいたのが本書を読んだいちばんの収穫でした。
法律の書き換え作業でお役所は大変でしょうけど・・・。

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