さんの書評2018/02/14

「あることは間違いないが、効果は弱く、しかもいつも得られるわけではない」が結論

サブリミナル効果を謳っているヒーリング音源について調べていて手に取った。
1999年時点でのサブリミナル効果についての社会学的、心理学的研究の状況をまとめ、解説を加えた論文集である。
結論としては、視覚系のサブリミナルについては効果は「あることは間違いないが、効果は弱く、しかもいつも得られるわけではない」というもの。
音声サブリミナルについては、過去のいろんな騒動(ビートルズやレッドツェッペリンの楽曲にサブリミナルメッセージが入っていたなど)についての記述があってそこは参考になったが、音声サブリミナルがメッセージとしてちゃんと伝わるのか実験したという論文はひとつもなかった。
音声サブリミナルは、聴こえないほど高い音、低い音、小さな音、逆回転などでメッセージを埋め込むという手法だが、レコードや磁気テープなどアナログ音源ならともかく、普通のデジタルCDには可聴域外の音はそもそもカットされて入らない。(しかもそれを再生できるヘッドホンやスピーカーもおいそれとは売っていない)
逆回転にいたっては、言語ですらない。
なので実験結果があるならそれを知りたかったのだが、残念ながら、サブリミナル効果を謳っているヒーリング系の音源については特段の根拠は得られなかった。
本書から20年近く経過して脳科学が格段の進歩を遂げているので、そちらの観点からの知見にもあたってみたい。

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