さんのコメント2018/01/25

カルペパーの事績を調べていて手に取りました。 カルペパーその人の伝記、というよりも、彼が生きた激動の時代(=ピューリタン革命)のイギリスを描いたいわば大河ドラマです。 カルペパーは「赤ひげ先生」のごとき在野の療法家、その対極にあったのが国王の侍医を務めた大家ウィリアム・ハーヴィー。 政治、宗教における絶対的権威が破壊され、民主的で開かれた時代へと移り変わろうとしていたとき、医学もその例外ではなかった。 カルペパーはラテン語で書かれた薬局方を庶民が読める英語に翻訳したことで、当時の医学の権威たちから強烈な攻撃を受け、36才の若さで死んでからも誹謗中傷は止まらなかった。それでも彼が残した著書「English Physician」は今でも読み継がれているそうです。(先年、鏡リュウジ氏の翻訳がでましたね。) 映画にでもしてほしいような、とてもスケールの大きな物語に満足しました。

共有する: