さんの書評2017/11/11

医学常識はウソだらけ(図解版)

医学常識はウソだらけ(図解版) 健康の重要な要素、病気の予防はこの著者三石巌によれば①高タンパク質 ②メガビタミン ③スカベンジャーである。 個人的には納得できる部分もある。 現在の医学は対処療法であり、実際にはその副作用も多く、高血圧やコレステロール値による未病の提示など曖昧な表現を嫌う著者はバランスが良い食事などを避けつつ、どのようにすればよいのかを記載している。 実際に薬学を勉強してきたのでこれらの部分に対する著者の主張は良くわかる。 また①についてもその通りであると思う。活性酸素の除去がベースになるものよくわかる。 但し、②は良くわからない。 どのような状態がメガビタミンなのか?まさに曖昧である。 ビタミンについては水溶性、脂溶性があり中毒症もあることはこの著者であれば存じているはずだがそれについての記述は見当たらなった。(図解版だからか?) ビタミン至上主義者はビタミンの効用について、どのように実験された結果なのかを知らないのでその点は論じるべきだと思った。 例えば、ビタミンCの抗酸化作用を発揮した実験はすべてin vitro(つまり、人体ではなくシャーレの上)である。実際、ビタミンCが効力を発揮するのはミトコンドリア内においてであり、そこに至って初めて抗酸化作用(活性酸素除去)を示す。 しかし、経口摂取したビタミンCがそのままミトコンドリアに取り込まれている証拠は現在ない。ビタミンEについても同様である。 また③スカベンジャーとした抗酸化作用を有する食品に含まれる抗酸化物質も同様である。ワインは身体に良いとした論文はすべて西洋人を使用した実験(しかも、統計学的に結論されたもの)であり、スカベンジャーの効用もin vitroである。 それらを奨励するのはあまり関心はしない。 また分子量が大きいこれらの抗酸化物質を分解したものを摂取するように勧めているが、それでは抗酸化を示すのであろうか? 大筋は納得できるが、細部に疑問を抱くものであった。

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