みんなの書評

さんの書評2019/03/21

東大院生が開発! 頭のいい説明は型で決まる

東大院生が開発! 頭のいい説明は型で決まる
犬塚 壮志(著)

この本の著者は現役の予備校講師をしており、つまりは教えることのプロ中のプロである。
しかし、そんな著者はもともと地頭が良かったために東大大学院を卒業できたのではなく、人一倍努力しなければ他人に劣ることを自覚しており、もともと偏差値は30台であったため、そのおかげでどのようにすれば効率よく学習が進むのかを常日頃から考えていたために「学習学」と言われる分野でトップになったと自認している。
また「教育業界における価値創造ことがこれからの日本を元気にする」をモットーとしており、様々な教育プログラムを提供しており、この本にはそのノウハウが高濃度で凝縮されている。
どんなに一生懸命に身につけた知識やスキルも、相手がわかってくれなかったら、それはないに等しい。とまで訴えています。
なぜなら、個人が情報発信しやすくなったSNS社会では、YouTubeやブログなどでその人の専門分野での発言を、そうでない人に伝える機会がひと昔に比べて圧倒的に増えてきており、自分の専門分野以外の人に、自分の発言をわかりやすく伝えることが求められるからであり、それにより共感する人が増え、世の中がもっともっと楽しくなるはずであると説いている。

この本で紹介されている説明の黄金フォーマットは「IKPOLET(イクポレット)法」としてまとめている。
I:Interest 興味を引く
K:Knowledge 聴き手のもっている知識や認識にアクセスする
P:Purpose 目的を示す
O:Outline 大枠を見せる
L:Link つなげる
E:Embodiment 具体化、事例、証拠を示す
T:Transfer 転移

これは学生時代とは異なりプレゼンを行う機会が非常に多くなっている社会人に共通して意識すべきものであると感じた。
特にプレゼンにおいて導入部分である相手に興味を持ってもらうためには初めの「I:興味を引く」、「K:聴き手の知識や認識にアクセスする」部分が非常に重要であり、それを怠ったプレゼンは悲惨以外に形容しようがない。

最後に、上記を実践して身に着けたものに対してとっておきのテクニックを3つ紹介している。
①バックワード・デザイン:「相手にどうなってもらいたいか?」と言う成果、つまり説明後のゴールから逆算しながらデザインをすることで、価値ある説明は、相手に”学習”と言う名の変化を起こさなければならない。
②メンタルバリア・ブレイク:自分にもできそうと感じてもらうために相手と類似の境遇の人の成功体験を示したり、作業手順を分割したりして、自分で行えるっという意識を芽生えさせる。
③比喩:目的は相手の頭の中に絵を描くこと。例えば擬人化

上記で示した手順を踏み、これらは意識すれば相手は理解を深め、わかってもらえるのだろうか?
前提としてこれらは実践あるのみであり、失敗をして振り返らなければ身につかないことは言うまでもない。

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さんの書評2019/03/05

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム

この本は「イノベーターのジレンマ」のクレイトン M クリステンセンによる著書である。
マーケティングが真に追及すべきことは何なのか?をジョブ理論として提唱している。
これは今までと何が異なるのか?
それは今までのマーケティング(顧客満足)のみを追及するのではなく、顧客がそのプロダクトを雇用する際に、どのような要件(ジョブ)を解消するためにそれにより進化し、何を解雇したのか?を見るべきであるとしている。
つまり、ジョブを雇用した際の状況を俯瞰してライバルを見極めるべきであるとしている。
またジョブを定義する際、気を付けるべき問題が二つあるとしている。
片付けるべきジョブには形容詞や副詞で説明してはならない。
例えば”便利な”は、顧客が競合他社ではなくあなたのプロダクトを選ぶ理由ではあるかもしれないが、ジョブではない。明確に定まった「片付けるべきジョブ」は動詞と名詞で表現できる。「手作業でタイプしたり編集したりしなくてもいいように、本を口述で”書く”必要がある。はジョブであり、「もっと正直にならないといけない」はジョブではなく、目標である。
二つ目は、ジョブには適切な抽象度が必要であるということだ。
同種のプロダクトでしか問題を解決できないのなら、それはジョブではない。
つまり、「350mLペットボトルに入ったチョコレート味の飲み物が欲しい」はジョブではない。
「通勤中、私の目を目覚めさせ、運転に専念させるものが欲しい。更に10時からの会議の間に空腹を感じないものが良い。このジョブにはバナナ、ドーナッツ、コーヒーを雇用することが考えられる」。
このジョブを片付ける候補者はすべて異なる製品カテゴリに属している。このような抽象レベルで表現すべきである。特に抽象度は高い方が良い。

非常にわかりやすく本も章ごとにまとめと投げかけを設定している構成されており、腑に落ちる部分が多数あった。

<ジョブの定義>
・ジョブとは、特定の状況で人あるいは人の集まりが追及する進歩である。
・成功するイノベーションは顧客の成し遂げたい進歩を可能にし、困難を解消し、満たされていない念願を成就する。またそれまでは物足りない解決しかなかったジョブ、あるいは解決策が存在しなかったジョブを片付ける。
・ジョブは機能面だけで捉えることはできない。社会的および感情的側面も重要であり、こちらの方が機能面より強く作用する場合もある。
・ジョブは日々の生活の中で発生するので、その文脈を説明する「状況」が定義の中心に来る。イノベーションを生むのに不可欠な構成要素は、顧客の特性でもプロダクトの属性でも新しいテクノロジーでもトレンドでもなく、「状況」である。
・片付けるべきジョブは、継続し反復するものである。独立したイベントであることはめったにない。

企業は果てしなくデータを蓄積しているものの、どういうアイデアが成功するかを高い精度で予測できるようには体系化されていない。むしろデータは、「この顧客はあの顧客と類似性が高い」「顧客の68%が商品BよりAを好む」といった形式で表現される。だが、こうしたデータは、顧客が「なぜ」ある選択をするのかについては何も教えてくれない。

第一部まとめ
・ジョブ理論はプロダクト/サービスを購入して使用する(雇用する)のは、顧客の生活に生じたジョブを満たすためであるとし、定義は「ある特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩」である。
・顧客のジョブを完全に理解するには、ある特定の状況で顧客が成し遂げ様としている進歩を、機能的、社会的、感情的側面も含めて理解し、さらに顧客が引き換えにしても良いと考えているものを理解しなければならない。
・顧客の片付けるべきジョブを理解するば、顧客に雇用されるための本当の競争が浮かび上がる。これは競争相手より魅力的な解決策を生み出すうえで極めて重要な情報となる。
・本当のジョブを理解していない企業は「一つですべてを満足させる」万能の解決策に惹かれがちで、結局誰も満足させることが出来ない。
・ジョブに基づいて区切ったセグメントにフォーカスする必要がある。このセグメントには、現状では満足な解決策が存在しない「無消費者」も含まれ、彼らのジョブを不満足に片付けるよりは、何も雇用しない方を選ぶ。無消費に眠る好機は企業にとって巨大だ。

第二部まとめ
・ジョブの理解を深める方法はたくさんあり、その中には伝統的な市場調査の手法も含まれる。”ジョブ・ハンティング”の戦略を練ることも有益ではあるが、その際に最も重要なことは、どの技法を使うではなく、どういう質問をするのか、そして答えとして得られた情報をどうつなぎ合わせるかにある。
・ほとんどの企業は、既存の顧客への理解を深めようと大掛かりな市場調査を行うが、ジョブについての重要な知見は、あなたのプロダクトも他社のプロダクトも買っていない無消費者を調査することで得られることも多い。
・ほとんどの企業は、顧客のジョブの機能面ばかりに重点を置いているが、感情的および社会的側面の発見にも同等の注意を向けるべきだ。3つの側面全てに対処することが、ジョブを踏まえた解決策には不可欠
・顧客の行動について集めたデータは客観的に見えても実は偏っていることが多い。データは特にビック・ハイアだけを重視し、リトル・ハイアが顧客のジョブをプロダクトが解決したことを意味する場合もあるが、本当に解決したかどうかはリトル・ハイアが一貫して繰り返されることによってしか確認できない。
・顧客が新しいプロダクトを雇用する前に、それと引き換えに何を解雇する必要があるかを理解すること。何かを雇用した裏で何を解雇されたのかを十分考察する必要がある。
・顧客の状況や、悪戦苦闘の時間、不完全な体験、それらに伴うストレスを詳細に記述した一種のストーリーボードを描くことによって、ジョブの理解を深めることが出来る。
・ストーリーボードでは、新しい解決策を推進する力を把握しておくことが重要である。この力には満足していないジョブを押す力と新しい解決策を引き付ける力の二つがある。
・変化に対抗する力が強くても、それを緩和するような体験を用意することが出来る。新しいものへの移行に不安があるのなら、それを最小化する体験を付随させればいい。
・ジョブのディティールはジョブスペックとして把握する。これには顧客が求める進歩を機能的、感情的、社会的側面から記述したものや、受け入れられるトレードオフ、打ち負かすべき競争相手や、克服すべき顧客の障害物などが含まれる。ジョブスペックはジョブの深い奥行きと複雑さを実行可能なイノベーションの指針に変換する際の青写真となる。

第三部まとめ
・顧客のジョブへのフォーカスをそらす最も影響が大きいのは、マネージャーがデータの3つの誤謬に陥りやすいことだ。
能動的データと受動的データの誤謬ー規模を拡大中の企業は、ジョブの奥深い複雑さを特徴づけるデータ(受動的データ)を重要視しつづける代わりに、業務に関係したデータ(能動的データ)を生成し始め、その見かけ上の客観性と精緻さに誘惑されやすい。これにより、企業は片付けるべきジョブより、プロダクトや顧客特性を中心にした組織に変貌してしまう。
見かけ上の成長の誤謬ー企業が大きな投資を行う時、顧客に売るプロダクトの数を増やしたり、解決するジョブの種類を広げたりして、成長を勢いづけようとしがちだ。これを「見かけ上の成長」と呼び、これは中核のジョブを丁寧に解決していく状態とは正反対に位置する。
各章データの誤謬ー既存ビジネスモデルにあうようなデータをマネージャーが生成しようとする。

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さんの書評2019/02/23

未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること

未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること

今後の日本が確実に直面する”少子高齢化社会”
それに対して身の回りに具体的に起こる事象をまとめてあり、それぞれがどのように生活に影響していくのか?を掘り下げた内容になっている。
前回の著書を読んでいないが、なかなか面白い内容ではあった。
しかし、これらの内容は現状のテクノロジーの延長に沿った内容であり、実際にその現象に直面した際に起こるであろう変化に対する強力な圧力は見越していない。
そのためどの程度、真正面から受け止めるべきかは未知数であろう。
ただこの本にも書かれていたが、確実に日本の競争力は低下し、先進国ではなくなる可能性は高い。
2050年にはG7に日本は参加できなくなっており、その代わり中国、ロシア、インドなど資源大国、人口ボーナスがある国により世界は先導されているはずである。
その時に自分が出来ることとを今から考えなくてはならず、この本では以下のようにまとめている。

【個人で出来ること】
①働けるうちは働く
②一人で二つ以上の仕事をこなす
③家の中をコンパクト化する
【女性が出来ること】
④ライフプランを描く
⑤年金受給開始年齢を繰り下げ、起業する。
【企業が出来ること】
⑥全国転勤をなくす
⑦テレワークを拡大する
【地域が出来ること】
⑧商店街は時折開く

このように結んではいるが、④、⑤は女性だけではないだろうし、企業が出来ることとしての全国転勤をなくすやテレワーク拡大、商店街の開店日時の削減は人口減少の圧力により、自然とそうならざるを得ず、提言とするには少し違和感を覚える。
個人的には国が行う施策は、遅きに逸するはずであるので個人や企業で対応することがメインとなるだろう。
インフラですら個人で確保するなど、分散自立型の社会へと変容すると思う。
そのために自分がすべきことは、変化を敏感に対応すべく知識や経験を磨くことに尽き、国内だけでなく世界を見据えなければいけないと思う。
特効薬などはあるわけはないので、努力を怠らないこと。そして、それを成果に確実に結びつけることを実行していかなければならないと考える。

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さんの書評2019/02/03

世界を変えた14の密約

世界を変えた14の密約

全ては目的があったわけではなく、あくまで目標が結果的に求めていた世界に当てはまり、世界がそのように偏移していっただけではある。
しかし、その目標がなぜ立てられたのか?インタビューを中心にその物語をほどいていく。全14章
但し、この物語は現在進行のものも含まれるが惜しいかな、全ては欧米中心で話は進んでいく。意図的かどうかは不明だが
そのため少々、ものの捉え方にある種の思想が滲み出ている。
ノヴァル・ハラル氏の「サピエンス全史」を読んだ後ではその視座の違いが如実に感じられたのが、残念である。
一方、その幅広い情報網や直接のインタビューによる核心に迫る内容は重みを感じる。

#risk 第2章 小麦の空売りとアラブの春
2010年アラブの春はtwitter革命、facebook革命を言われているが、物事のスタートは主食のパンに使用される小麦が世界的に高騰し、入手できないことで革命が起こされただけで決して、情報革命がもたらしたものではない。
一方、その小麦の高騰の原因は空売りは穀物メジャーと言われるABCD(ADM、バンジ、カーギル、ドレフィス)が世界の小麦の9割支配している。
それは15種の作物が全世界で摂取される食物エネルギーの90%を支え、うち米・トウモロコシ・小麦だけで世界人口の3分の2に当たる40億人の主食を占めることを考えるとこれは大きな問題となる。
つまり、ABCDが地球の人口を食べさせ、食料の価格を決めている。
アフリカのサブサハラ(サハラ砂漠より南の地域)は、地球上でもっとも食料不足が深刻な地域で人口に対して必要な食糧と、食料輸入量との乖離が、どの地域よりも大きい。
食料の5割が輸入で賄わられ、35%が小麦である。
しかし、2005年ABCDは危機に瀕した。小麦の収穫が予想できず2005年の利益が下がった。
そこで、ABCDは国際市場で穀物の供給不足に賭けた。
供給過多となった場合でも、価格を不当に高くしいずれにしても設けられる体制にした。
つまり、世界中で小麦の空売りを行った。
ナイル川からチグリス・ユーフラテス川流域は肥沃な三日月地帯と言われ、ひよこ豆、小麦、
オリーブなどの発祥の土地であるが、ここは世界最貧地域である。
1980年代にIMFと世界銀行は地域の穀物生産に投資するより、農耕を減らして欧米への果物の輸出を奨励する政策を打ち出し、この地域は小麦を輸入し始めた。
2006年から2007年にかけては豊作で、理論的には価格が下がるはずだったのに、ABCDは逆のことをした。
そのため小麦の価格は高騰し、アラブ諸国は食料価格を抑制し、補助金を増やす政策を打ち出したが、輸入業者や製造業者の儲けが大きく増え、民衆への還元は少なかった。
それに対してオバマ大統領はABCDのふるまいを「非人道的」だと名指し、その影響力を弱める法案を通そうとしたが失敗に終わった。
そのため、イスラム国が食料不足から民衆を開放した結果となった。
その原因を作ったのは『空売り』であり、それは将来価値を証券化することが大きな焦点である。
それはすべての価値(リスクを含む)を賭けの対象にしたために起こった。

#drugs 第6章 国民全員を薬漬けにする
保険会社が保険を売るために、医学的な根拠に欠ける数値を基に新しい基準を作ったことにより、薬が売れるようになった。
これはその嘘を暴く側であった大学などの研究室に補助金を注ぎ込むことを可能にした結果、起こった事例である。もともとは禁止されていたことであったが、国は不景気を理由に補助金の削減を決めた。
そのため製薬会社と研究施設の思惑が一致し、その問題が解消されたのだ。
これらは現在でも日常的に見られる。
ビタミン不足を訴え、睡眠不足を訴える。情動不安であればADHD。コレステロールが高ければ高脂血症薬に高血圧には高血圧薬
全ては病人のためではなく、未病の状態。つまり、予備軍に入れさえすれば需要は伸び、利益も増える。
最近であれば男性の更年期障害である。
全てに病名を当てはめることにより、その症状を定義づけでき対象方法が考えられる。

#now 第14章 21世紀のインフラストラクチャー
企業や個人や都市がやがて来るテクノロジー革命を生き延びるために必要なのは一つのことだ。
順応性
順応を妨げるのはモノだけではない。考え方もだ。
敵はロボットでもテクノロジー企業でも移民でも中国でもなく、自己満足と、安定しているので変わる必要がないという考え方か、若しくはどう変わっていいかわからないので変われないという感覚だ。

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さんの書評2019/01/13

Learn Better ―頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップー

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
アーリック・ボーザー(著) 月谷真紀(翻訳)

「学習を科学する」ことを銘打った本である。
学習は既に長い間、取り組んではいるが”学習”自体を科学的に評価したことはほとんどなかった。
それこそこの本に記載されている「昔からそうだったし、その方法で成績を上げてきたので疑問を持つ必要がなかった」
つまり、思考停止になっていたのだ。
その点について、学びが多い本であった。素晴らしい。
この本では学習を以下の通り体系的に分類し、それぞれに必要な手順を示している。
①価値を見出す (Value) :学びたいと思わなければ学ぶことはできない。学習とはすなわち対象の意味を知ることである。
②目標を設定する (Target) :知識を習得する初期の段階においては、集中が重要だ。目的を目標を設定しなければならない。
③能力を伸ばす (Develop) :スキルを磨き、パフォーマンスを向上させることに特化した手段が必要
④発展させる (Extend) :基本から踏み出して、知識を応用したい。より意味のある形の理解を形成
⑤関係づける (Relate):個別の事実や手順だけを知りたいのではなく、その事実や手順が他の事実や手順とどうかかわりあうかを知りたいのだ。
⑥再考する (Rethink) :自分の知識を見直し、自分の理解を振り返って、自分の学習したことから学ぶ必要がある。

脳は情報を「オフロード」する、つまり自身の神経褶とは別の場所にほ損じて負荷を軽くすることが良くあり。これに関して、スマホなどが一種の「補助脳」となっているというのだ。例えば、美術館で見た絵画は写真に撮ると記憶に残りにくい。脳は画像をデジタル端末にほzんしたと考えるらしい。事実情報が持っていた価値の大変が失われてたということだ。中身そのものは、かつてほど重要ではなくなった。今大事なのはデータそのものではなく、そのデータを使っていかに思考の質を上げられるかだ。もっと厳密にいうなら、新しいスキルを如何に効果的に習得するか。複雑な問題をどうすればもっとよく理解できるか。

学びたい対象を自分と一層関連性の深いものにするということで習得したいスキルに意味を(モチベーション)を見出す手段が必要である。視点を転換することにより対応することが出来る。
自分に次のような問いかけをする。この学ぶ対象は私にとってどう価値があるのか?どうすればもっと自分に関連性があるようにできるか?この知識を自分の生活にどう利用できるか?

自分で自分に問題を出したり、自分い説明してみたりするような、能動的な学習活動が最も効果が高い。
頻繁にクイズ式の質問に答えるよう呼びかけるなど

自分の情動を自覚したら、それを管理数r手段が取れる。ある感中にラベル付けしたら、その感情について思考を巡らせられるようになる。このような情動への対処にはしばしば自分への励ましが求められる。
その際、自分への語り掛けには二人称の「あなた」の方が一人称の「私」より効果があることが研究で証明されている。

つながりを作るために「なぜ」を問う質問をたくさんしよう。学ぶ対象を五感でしっかりつかみ、その複雑さを味わうために、知識は必ず応用しよう。知識を本当に自分のものにするために、人に教えてみよう。また、議論を恐れてはいけない。推論の力を伸ばすことによって学びは更に豊かになる。

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さんの書評2018/11/14

「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明

「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明

『イノベーターのジレンマ』は1997年にベストセラーとなったアメリカハーバード大学のクレイトン・クリステンセン著書の有名な本である。
原書となる本を読んでないので比較は出来ないが、HDD業界の栄枯盛衰な世代交代をネタにその原因を記しているとのことだが、この本の中でかなり噛み砕いて説明している。
要は「既存企業は失敗した。その原因は、経営陣がバカだったからだ」
そのことについて著者は思考停止であると指摘している。
著者は動学ゲームと技術革新の実証分析を専門としているため、イノベーターのジレンマ、その原因をじっくりロジックで考え、しっかりと定量的なデータから論理と現実とを接続して実証分析をしてくれている。
つまり、結論ではなく実証過程を味わう本である。
その実証過程は非常に明瞭であり、痛快さすら漂う。
また難しい話が続いた際は程よく軽い話を挟む内容で飽きさせない。更に、著者が気にしている思考停止に陥らないために、どのようにしたらこのジレンマから逃れることが出来たか?までも記載されている。
小難しいが理解し、実際の仕事に使用できるようになれば非常に強い武器となるだろう。
経営やそれなりの立場にいるものは、根性や義理人情など目に見えないものにすがるよりこの本にすがる方が答えは明確になるだろう。
つまり、その者にとって”絶対、買いの本”である。

処で、結局、HDD業界を定量的に分析した結果は
「既存企業は抜け駆けの誘惑に強く駆り立てられている。」
「イノベーション能力も、実はかなり高い。」
「にもかかわらず腰抜けなのは、主に共食いのせいである。」

但し、それだけでは終わらない。その解決方法を模索し、以下の3点に要約
①既存企業は、たとえ有能で戦略的で合理的であったとしても、新旧技術や事業間の「共食い」がある限り、シンザン企業ほどにはイノベーションに本気になれない。(イノベーターのジレンマの経済学的解明)
②この「ジレンマ」を解決して生き延びるには、何らかの形で「共食い」を容認し、推進する必要があるが、それは「企業価値の最大化」いう株主(つまり私たちの家計=投資家)にとって利益に反する可能性がある。一概に良いこととは言えない。(創造的「自己」破壊のジレンマ)
③良くある「イノベーション促進政策」をに大した効果は期待できないが、逆の言い方をすれば、、現実のIT系産業は丁度よい「競争と技術革新のバランス」で発展してきたことになる。これは社会的に喜ばしい事態である。(創造的破壊の真意)

以下、この著書にある読書案内である。
①ミクロ経済学の力 https://goo.gl/emHL3Y
②レヴィット ミクロ経済学 基礎編 https://goo.gl/WZLR4W
③「原因と結果」の経済学 データから真実を見抜く思考法 https://goo.gl/XHBBgA
④計量経済学の第一歩 実証分析のススメ https://goo.gl/7GFLfS
そのほか⑬まで紹介されている。

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さんの書評2018/11/132いいね!

[痛いのは嫌だけど死ぬのは怖くない]

[痛いのは嫌だけど死ぬのは怖くない]
この本は、絵本『100万回生きたねこ ※』の作者が綴ったエッセイである。 68歳で乳がんになった佐野さんは、2年後に左大腿骨に転移して余命2年の宣告を受ける。 ところが、『死ぬ気まんまん』というタイトルをつけた佐野さんならでは、やらかすことが私たちの想像を超えている。 宣告を受けた日、病院帰りに初めて外車"ジャガー"を買ってしまう。そして、自分で運転して病院に通えば、気兼ねなくタバコが吸えるし、タクシー代も節約できると喜ぶ。 ガン患者が書いたものでありながら、ガン患者の日常のつれづれが重苦しくならずに読める。家族のこと、ちょっと変わった友人のこと、主治医とのやり取り、ミーハーな自分のことなどが佐野さん独自の視点で語られてゆく。 余命2年の宣告を受けたのでお金は要らなくなると思い、治療費、終末介護代、墓やお寺を決めた後は、ジャンジャンお金を使った。ところが、2年過ぎても生きているので、主治医に「お金なくなちゃった」と言ったら、「困ったねぇ」と言われ、先生がかわいそうになったので「元気ですから仕事します」と言ってしまうところなどつい笑ってしまう。 ジュリーの話、『踊る大捜査線』の柳葉敏郎の話、寝転がって『相棒』を見ていることの幸せの話等々。 あと2年の命と伝え優しくしてくれていた友人達が、まだ死なないと知ったらあれ?と思う行動に出てしまったり。笑っちゃいけないけど、可笑しい。 佐野さんだからできること、言えることも多いとは思うが楽しませてもらえる。 痛いのは嫌だけど死ぬのは怖くないという佐野さんの原点は、幼少期に身近で起きた人の死にあるのだろう。1932年に北京で生まれ、9歳の時に日本に引き揚げた。7人兄弟妹だったが、10歳迄に3人の兄弟を亡くしている。また、戦中戦後の混乱期も経験。命ある者「生は必ず死で収束する」という動かせない事実を受け容れ、自分の死生観を形作ってこられたのかもしれない。 また、この時70歳という年齢も関係している。エッセイの後半では死に伴う喪失感や悲しみも十分に知った人であることがわかる。 生活の全てがガンに取り込まれたりせぬよう、時にはこんな本も良いのではないかと思う。 本書にはこのエッセイの他に主治医との対談、「知らなかったと」いうエッセイ、関川夏央氏の佐野さんとの思い出話が収められている。 ※『100万回生きたねこ』は出版以来、200万部以上発行され多くのひとに愛されている。 #パラメディカ #乳がん #女性のがん http://www.my-cancer.net/cafe/book/bs_045.html

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さんの書評2018/11/13

[医学の進歩を信じて諦めない、健やかながん患者]

[医学の進歩を信じて諦めない、健やかながん患者]
子宮頸がんの闘病記、著者は漫画家の赤星たみこさんです。国立がん研究センターがん情報サービスによると子宮頸がんの罹患率は20代から増加。検診で早期発見ができれば、進行する前に子宮の温存が可能になる場合も多く、20歳から2年に1回の細胞診の検診が勧められています。赤星さんの場合、40歳でがんが発見される迄、検診を一度も受けたことがなく、子宮頸がんは、子宮にできたポリープの細胞診で偶然見つかりました。 ステージは1a。子宮全摘手術となりました。この本では、子宮がん判明から、検査、入院、手術、闘病、退院に至るまでの体験を順を追って、所々に漫画を入れながら書かれています。 また、本の中で語られる赤星さんのメッセージが、子宮頸がんに対する不安を和らげてくれます。 <正しい知識があれば、それほど取り乱さなくて済む> <検診でがんが発見されたら、ラッキー!早く見つかって良かった> <元気ながん患者に会う> <元気は出すもの!>などなど。 中でも、<医学の進歩を信じて諦めない、健やかながん患者> という言葉は、乳がん患者だった実姉の前向きな姿勢を見つめた赤星さんの思いです。 そして、赤星さん自身も健やかながん患者を目指し、現在も元気に活躍中です。 誰が読んでもわかりやすいので、「女性のための子宮頸がんガイドブック」の一冊として参考になると思います。#パラメディカ #女性のがん #子宮頸がん https://calil.jp/review/4594029973/5801210213302272

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さんの書評2018/10/281いいね!

全米は、泣かない。

全米は、泣かない。

お笑いトリオ「グランジ」のひとり、五明さんによる有名コピーライターさんへの直球の質問を中心とした対談をまとめた本である。
コピーは言葉と感情を結び付けて、更に濃縮に濃縮を重ね、無駄をできるだけそぎ落とした先にできるものであり、そのため芯を喰らったものでなくてはならず、その過程は人それぞれではありかなりブラックボックスと言える。
個人的にはコピーライターの考えは、普段のプレゼンや顧客に対してものを売る技術に通じるものであり、如何にして相手が考えているものの上を行くか、それをもって如何に相手に新しいことを気づかせられるか?が重要と考えている。
ただ実際にプロはどのようにしているのか?
興味深い。
その中ではウェブの登場により、その前の時代において一番大切な能力とされた文章を削って集約する能力が否定される場面が出ている現実などは面白い発見であった。
しかも、五明さんもまだまだ駆け出しであるため、質問のプロセスが非常に明確になっており、疑問点、更に要点も良く整理されている。
その中で今後、応用が利きそうな箇所を抜粋する。

問題に対して、自分で簡単な制限を掛けることにより思考の幅を集約し、とりあえず出すこと。それによりアイデアがそれに乗ってきて、次々と出てくる。

最初に考えたアイデアで満足しない。別のアイデアを考え、締め切りまで競わせる。

言葉を変えたことで何のプラスが生まれるかを自問自答しながら検証していく

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さんの書評2018/10/14

全脳エミュレーションの時代(上):人工超知能EMが支配する世界の全貌

全脳エミュレーションの時代(上):人工超知能EMが支配する世界の全貌

正直、機械工学などの工学部向けの本である。
無頼漢には非常に難解な言葉が連続してくるので、文脈を理解するのに非常に時間がかかった。
特にエムの基本的な脳(知能)を構成するユニットの話はほとんど理解できなかった。
基本的な機械工学やコンピューターに関する知識がない限り、脳構造や機構を理解している方ではあるが、意味を理解するまでは至らなかった。
但し、この著者は非常に幅広く、正確な情報提示からそれらを統合し、自ら考察しており正確性はかなりのものだと感じる。
その中で気になった箇所に関して、以下に記する。

時代の価値観
個人の価値観と国家の価値観の2種類は独立して変化している。
個人の価値観は貧しい国と富める国で異なっており、貧しい国では服従、安全、結婚など電動的な価値観が重視される。対照的に富める国では個人主義、自立、忍耐、などの価値観が重視される。つまり、「左翼/リベラル」=富める側、「右翼/保守」=貧しい側という対比が行われる。
国家の軸はアメリカで尊ばれる小さな家族中心の価値観(資源、権力、成果)
ロシアなどの国で尊ばれる大きなコミュニティ中心の価値観(謙遜、思いやり、信頼性)
これらは農耕民か狩猟民かで大きく異なる可能性が考えられる。
狩猟採集民の価値観は今日の「豊かで/リベラルな」な人たちの価値感に近く、最低水準の農民は「貧しく/保守的な」人たちの者に近く、工業が八卓子豊かになると農民の価値観はリベラルな狩猟採集民の価値観へと移行してくのが平均的なパターンである。
農民が直面する社会的圧力を利用して服従や宗教などの文化が進化を遂げた結果、本来は狩猟採集民として行動するはずの人類が農民としてふるまっていたと考えられる。
実際、富める国の工業時代の価値観は、狩猟採集民の価値観と重要な点で異なっている。例えば都市部への人口集中や匿名性が受け入れられ、職場では仲間意識が希薄で、上からの締め付けレベルが高い。工業時代に生きる人々がこのような職場の価値観を手放さないのは、さもないと収入を得る能力が損なわれる恐れがあるからだ。

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