砂糖少々、ミルク適量。でも、ほろ苦さが小憎らしいSF読み物

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弟の戦争

ロバート ウェストール

「センソウなんて、体験したことないから実感ないよ」……? 弟の人格が、戦場の少年兵と入れ替わってしまっても、ぼくらはそう言えるのだろうか。SFじゃないけど、著者の『“機関銃要塞”の少年たち』もおすすめ

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ザ・ギバー―記憶を伝える者 (ユースセレクション)

ロイス・ローリー

ユートピアって「どこにもない場所」って意味だって知ってた? 幸せになるために、人類がいろいろなものを捨ててしまった近未来のお話。12才のジョナスは、自分が暮らす「理想郷」の秘密を知ってしまい……

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ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

伊藤 計劃

私はみんなのために、みんなは私のために「ある」。でもそんな場所で、人間が「自分」でいる意味ってあるんだろうか? 世界に抵抗するために、かつて自殺を試みた少女の出した答えとは。夭折した天才SF作家の傑作

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ドーン (100周年書き下ろし)

平野 啓一郎

ドーン! じゃありません。宇宙船DAWNでの長期ミッション中、隔絶された船内で何が起きたのか。離れ離れの時を過ごした宇宙飛行士夫婦の不信と再会を描く。「彼女」の知らない「君」は、何人いますか

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プランク・ゼロ (ハヤカワ文庫 SF―ジーリー・クロニクル (1427))

スティーヴン・バクスター

ハードSFって、噛めば噛むだけ味わえるからその分「硬い」のかもしらん。先端物理と哲学の世界をぎゅっと凝縮した短編集。ハリウッドとは一味も二味も違う、ウェルダンに焼きあがった「未来の姿」を召し上がれ。

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Self-Reference ENGINE (ハヤカワ文庫JA)

円城 塔

時間が反乱を起こしました。「一方向にしか進んじゃいけないなんて、誰がきめた!?」時がばらばらに進む世界、そんなの想像できない? だいじょうぶ。この本は軽々と人間の想像力の限界まで連れて行ってくれます

そろそろブラックコーヒーに挑戦したい10代にオススメ

世の中のいろんなささくれに気がついて、そろそろブラックコーヒーに挑戦したくなってきた10代へ
(および、気持ちの上ではまだそのくらいのつもりの友人たち)

SFって、表紙に指を掛けるたんびに、無性にわくわくするものです。

ぼくたちは普段、とっても大きな、でもめったなことでは誰も気にかけないような不思議たちの中で生きています。
「時間」もそのひとつです。「世界」のはじまりってあったんでしょうか? もしあったとしたら、そのはじまり以前はなにがあったんでしょうか、あるいはなにもなかったのでしょうか? 「世界」が世の中のなにもかもをひっくるめて呼ぶ名前だとすれば、その中には「時間」も含まれるはずです。ということは「世界」がはじまる前には「時間」はなかったことになります。あれ? 世界のはじまりの「以前」を考えるには、でも、「世界」に含まれて一緒にはじまるはずの「時間」が既に必要じゃあありませんか? じゃあ「世界」と「時間」は別物なんでしょうか? きのうのきのうはおとといで、おとといのきのうはさきおととい。こうやって時間だけを切り出して、順番にさかのぼって行ったら、どこかでそれ以上さかのぼれない時間の「底」にぶちあたってしまうんでしょうか? でも、気持ち的には永遠に後退していけるような感じもします。ということは「時間」にはじまりはない? はじまりがないものなんて、ありえるんでしょうか? ……考え始めるとキリがありませんけど、でも、これって実はぼくたちの生活に密接した、現実的な疑問じゃありませんか? 
そもそも「時間」とはなにかということだって、ぼくたちはよくわかっていません。でもぼくたちは普通にその中で暮らしています。そういうものは、他にもたくさんあります。さっき気軽につかったコトバ、「世界」だってそうです。「世界」とはなにか? 「人間」とはなにか? 「正しい」とはなにか? そんな一見無駄に見える疑問も、実はぼくたちの人生に大きくかかわっています。例えば、自分に聞いてみてください。「自分とはなにか?」このページを開いたのは、「自分」の意思ででしょうか、それとも、それを開くような自分を作り上げてきた「自分以外」のなにかがその意思決定に加わっているのでしょうか。このページじゃなくてもいいです。将来なりたい職業は、あなたがなりたいと思っているのでしょうか、それともなりたいと思うように何かに決められているのでしょうか? あなたの経験のどこまでが純粋な「あなた」だと言えるのでしょうか?

SFって、そういう問いへの仮の答えを、実験して見せてくれるものだとぼくは思います。
現実では隠されているいろんなもののエッセンス=「おかしさ」が華麗に描き出されている、芸術的なまでの「嘘」の実験場へ、ようこそ。

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閲覧回数:3031回、公開:2010/06/30

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書いた人 : hidanemakerさん

男子学生。
4年くらい前まで、フリーマガジンやらフリーペーパーやらを、仲間とわやわやつくっていました。
でも、ほんとうは、本もつくってみたかったのだよ。
そんなはたち……ってもうにじゅうにか!

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