目次
序章 台所の環境思想史
1、歴史の基層としての台所
2、テイラー・システムとナチズム
3、台所の変革者たち
4、 台所をどうとらえるか──定義とアングル
第1章 台所空間の「工場」化──建築課題としての台所
1、ドイツ台所小史──「煙と煤」から「ガスと電気」へ
2、ドイツ台所外史──「キッチンの集団化」という傍流
3、第一次世界大戦の衝撃──集団給食の登場
4、フランクフルト・キッチン──「赤いウィーン」から来た女性建築家
5、考えるキッチン──エルナ・マイヤーの挑戦
6、ナチス・キッチン?
7、労働者、約一名の「工場」
第2章 調理道具のテクノロジー化──市場としての台所
1、電化される家族愛──快適、清潔、衛生的
2、台所道具の進歩の背景
3、ニュアル化する台所仕事──人間から道具へ
4、市場化する家事──消費者センター「ハイバウディ」の歴史
5、報酬なきテイラー主義の果てに
第3章 家政学の挑戦
1、家政学とは何か
2、家政学の根本問題──『家政年報』創刊号
3、家政学の可能性と限界──『家政年報』1928—1932
4、家政学のナチ化──『家政年報』1933—1935
5、家政学の戦時体制化──『家政年報』1939—1944
6、家政学が台所に与えた影響
第4章 レシピの思想史
1、ドイツ・レシピ小史
2、読み継がれる料理本──食の嗜好の変化のなかで
3、企業のレシピ──ナチズムへの道
4、栄養素に還元される料理
第5章 台所のナチ化──テイラー主義の果てに
1、台所からみたナチズム
2、「第二の性」の戦場
3、「主婦のヒエラルキー」の形成──母親学校、更生施設、そして占領地へ
4、無駄なくせ闘争
5、残飯で豚を育てる──食糧生産援助事業
6、食の公共化の帰結
終章 来たるべき台所のために
1、労働空間、生態空間、信仰の場
2、台所の改革者たちとナチズム
3、ナチスのキッチンを超えて
註
参考文献
「食べること」の救出に向けて──あとがきにかえて
針のむしろの記──新版のあとがきにかえて
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付録1 ベストセラーの料理本
付録2 ダヴィディス著『日常的かつ洗練された料理のための実用的料理本』の版別レシピ構成
付録3 ハーン著『市民の台所のための実用的料理本』の版別レシピ構成
人名索引 477