目次
はじめに 敗北の憶想、あるいは彗星とラス前
Ⅰ 歴史叙述の作法
第1章 死者が生者を捕らえる──ふたたびマルクスとともに
第2章 非精確な歴史叙述──だがドゥルーズ的小林秀雄が
Ⅱ 気分
第3章 気分はいつも、ちぇっ!──埴谷雄高の「不快」
第4章 風に向かって唾を吐くな!──であればこそ、かのニーチェが
Ⅲ 「私」の反復
第5章 予感する記憶──三島由紀夫の「不快」とその編集
第6章 不自由な「私」──戦後近代(文学)とEcce Ego
補論 余白と置字──荻原朔太郎の「球体」
Ⅳ 反復と跳躍
第7章 睥睨する〈ラプラスの魔〉と跳躍──小林秀雄が切線する
第8章 契がもたらす疚しさに拮抗する──吉本隆明の「切断」
補論 肉月の詞──詩人 吉本隆明
Ⅴ 確信‐期待という「主体」
第9章 こうして世界は複数になる──谷川雁と丸山眞男の絶対的疎隔
第10章 反時代的「確信」──藤田省三の「レーニン」
補論 雑業の遺恨──黒田喜夫と「ぼく」