紹介
効果をあげるための正しい使い方
自律訓練法の最良の手引き
精神医学や心理療法,心療内科などでよく利用され,効果の高いテクニックとして知られる「自律訓練法」。臨床家が自律訓練法を患者・クライエントに指導するときに必要となる基礎からコツ,真髄までをじっくりと教授したのが,この本です。
自律訓練法は,だれでも習得できるリラクセイション法で,リラックスを促し,眠れたり,緊張をほぐしたりといった健康問題や不安や抑うつなどの心の不調以外にも,心身症や精神疾患などにも利用可能な技術なっています。しかし,古くからある手技でかつ簡単に見えるため,キチンと理解されないままに臨床の場で 使われることも多くあります。
そこで,自律訓練法を得意とする臨床心理士 福山先生に,その経験をもとに自律訓練法のテクニックや,症状ごとの適用,禁忌など,そのメソッドを余すことなく描いてもらったのがこの本です。臨床家にとって必読の手引きとなりました。
目次
Ⅰ 自律訓練法とは
1 自律訓練法の誕生
2 自律訓練法の効果
3 自律訓練法はどの領域で活用されているか
4 自律訓練法の適応と禁忌
Ⅱ なぜ自律訓練法か
1 なぜ自律訓練法を選択するか(自律訓練法のメリット)
2 自律訓練法をどのように使うか
3 いつどのタイミングで指導を開始するか
Ⅲ 自律訓練法の導入の前に
1 指導者が知っておくこと
2 導入前に伝えておくこと
3 練習する際の心得について
4 練習中はどのような体感的変化に気づくか
5 練習開始当初の困惑を解消する
6 練習を開始する上での基本事項
7 練習姿勢の選択
8 練習時間の選択
9 練習記録はなぜ必要か
10 生理・心理データの収集
Ⅳ 自律訓練法──標準練習をどう始めるか
1 姿勢を整える
2 姿勢を整えたら
3 公式(セリフ)の暗唱の仕方
4 消去動作を忘れずに
5 標準練習公式(セリフ)の実際
Ⅴ 自律訓練法──指導の実際
1 標準練習導入の進め方
2 標準練習導入後の指導上の留意点
3 不安が強いクライエントへの指導上の工夫
Ⅵ 指導事例
1 高齢者への適応
2 高齢者への導入にあたって
3 リワークでの適応
4 身体表現性障害への適応
5 感情障害への適応
6 自己臭恐怖への適応
7 適応障害への適応
8 不安障害への適応
9 介護者への適応
Ⅶ 自律訓練法に関するQ&A
1 効果が現れる時期
2 練習姿勢
3 練習環境について
4 練習回数・練習時間・呼吸
5 公式の唱え方
6 練習中に起こること:各公式との関連
7 練習中に起こること:変性意識状態・自律性解放現象
8 練習後に起こること:消去動作
9 練習がうまくいっているかどうか
10 練習ステップの進め方
11 症状と自律訓練法
12 練習の継続について
Ⅷ 資 料
1 自律訓練法の練習者からの質問内容
2 日本語が母語でない人のための練習公式