目次
本書で扱う50 の音楽リハビリ・ゲームの「目的」一覧
音楽と人間~音楽刺激の「入力」と「出力」が身体に与える影響…長倉裕二
はじめに~機能の維持・向上をめざす「音楽リハビリテーション」の提案…大塚裕一
Part A「音楽リハビリの対象」
1.音楽とリハビリテーション
音楽リハビリとは 音楽の働き 音楽リハビリの対象と適応
2.音楽リハビリの対象となる機能障害と評価方法
さまざまな機能障害に対する音楽リハビリ
* 身体(運動)機能に対する音楽リハビリ
* 高次脳機能(認知機能・言語機能)に対する音楽リハビリ
対象となる機能障害
「介護予防」と身体の機能維持 高齢者の主な機能変化
各種機能障害に対する簡易評価
* 身体(運動)機能面…筋力・筋持久力・関節可動域・運動失調の評価
* 言語機能面…構音障害の評価・失語症の評価
* 認知機能面…記憶障害 失行・失認 注意障害 遂行機能
評価表記入例
1 簡易 運動機能評価表 2 簡易 言語機能評価表 3 簡易 認知機能評価表
Part B「音楽リハビリの基礎」
1.音楽リハビリに必要な音楽理論
1.楽譜の知識 2.実践の知識
2.音楽リハビリに必要な実践技術
ソルフェージュ、作曲・編曲、伴奏技術、発声と歌唱技術、音響機器操作技術
Part C「音楽リハビリの実際」
1.音楽リハビリの流れ リハビリの依頼から終了まで
1)面接・評価 2)問題点の抽出 3)目標の設定
4)プログラム立案 5)音楽リハビリの実際 6)再評価
2.各機能障害別 音楽リハビリの実際
(1)運動機能編 (右はゲームでの使用楽曲)
1. あいうえたたき (赤とんぼ)
2. さいたちった! (バラが咲いた)
3. まわしてふんで (むすんでひらいて)
4. カンカンボールまわし (銀座カンカン娘)
5. さかさ旗揚げ (ああ人生に涙あり)
6. 360 度のボール (三百六十五歩のマーチ)
7. 二人の腕は若い (二人は若い)
8. いっぽんな~ら? (いっぽんでもにんじん)
9. となりで膝あげ (むすんでひらいて)
10. 交互立ち (夕焼け小焼け)
11. 背中伝達 ~リズム編 (オリジナル)
12. チェンジ手足 (オリジナル)
13. 故郷タッチ (故郷)
14. マラカスやぎさん (山羊さんゆうびん)
15. ジェンカせんか? (ジェンカ「レット・キス」)
(2)言語機能編
16. 森のカテゴリー (森のくまさん)
17. 知床体操 (知床旅情)
18. かえるのフー (かえるの合唱)
19. 故郷のばし (故郷)
20. ベロ記憶 (オリジナル)
21. あいうの歌 (ドレミのうた)
22. こだまなかま (二人は若い)
23. 名詞チョイス (七つの子)
24. トントン語想起 (オリジナル)
25. 歌かんじ (雨降り)
(3)認知機能編
26. いろんな太鼓みつけた (ちいさい秋みつけた)
27. ドレミの鳴子 (ドレミの歌)
28. たしひきソング (オリジナル)
29. ウルトラドン (リンゴの唄、青い山脈、黄色いサクランボ、とんがり帽子)
30. こんにちは楽器 (こんにちは赤ちゃん)
31. タダぬきのワルツ (星影のワルツ)
32. 幸せならたしざん (しあわせなら手をたたこう)
33. リレー語想起 (瀬戸の花嫁)
34. 上を向いて… (上を向いて歩こう)
35. 対(ペア)たたき (ブルー・シャトウ)
36. 桃太郎リレー (桃太郎)
37. 色違いチューリップ (チューリップ)
38. 踊るクマさん (森のくまさん)
39. トントン数字カップル (オリジナル)
40. リズム・ポーズ (オリジナル)
41. リズム・ジェスチャー (ぶんぶんぶん)
42. 絵ドレミ記憶 (ドレミの歌)
43. 目かくし缶缶 (春の小川、ふじの山)
44. シャボン玉計算 (しゃぼん玉)
45. 数字でシェイク (四季の歌)
46. 落・回・飛・止 (夢想歌)
47. さかさまあいさつ (世界の国からこんにちは)
48. かがし (七つの子)
49. 5 文字歌リレー (春の小川)
50. 交互うた (証誠寺の狸囃子、かたつむり)
おわりに~「音楽の力をふんだんに取り入れて」宮本恵美
参考文献リスト
前書きなど
音楽リハビリテーションは「音楽療法士も含めたさまざまな多職種が、対象者の心身の問題点を抽出し、その機能の維持・向上を目的としたリハビリテーションの一技法」です。
音楽を用いるリハビリは、きちんと目標が設定されれば、アイデア次第ではその対象をさらに多様で広範な範囲に広げることができます。そこで今回は、精神科領域を対象とするのではない、さまざまな機能の維持・向上を目的としたリハビリテーション的視点による音楽活用のリハビリ手引書を作成してみました。
本書の核は、高齢者の認知症予防や脳血管障害者の機能回復等のリハビリの視点に立ち、加齢や障害から導かれた問題点とリハビリの目的を意識した点です
①音楽療法士やリハビリ専門職が実施するだけではなく、介護職員やレクリエーションワーカー等の多職種の人々が実施することも想定し、簡単にできる「評価方法」を紹介した。
②障害や予防の視点から「運動機能」、「言語機能」、「認知機能」の3大機能に分類し、それぞれに対応する音楽リハビリの具体的手法を、イラストと楽譜を用いてわかりやすく紹介した。
以上の2点が新しい特長と言えます。