紹介
「アウトノミア運動」とは
何だった/何であるのか?
1977年――すべての転回が起こった年!
イタリアでは、
労働を人生のすべてとは考えない若者たちによる、
激しい異議申し立て運動が爆発した。
77年の数々の反乱が今日の私たちに宛てて発信していた、
革新的・破壊的なメッセージを、
メディア・アクティヴィストであるビフォが描きだす。
* * *
1977年こそが、新しい時代への移行の年である。
77年は、イタリアにおいて、
自律的・創造的な運動(アウトノミア運動)の力が、
社会のただなかで試された年であった。
と同時に、労働過程の不安定化、社会関係の喪失、
うつ病の浸透が日常となる暗い未来の姿を、
目撃しはじめた年でもあった。
「ポストモダニティ」や「弱い思想」といった概念は、
この年月に姿を見せる。
幸福と絶望――本書では両方に視座をおくことで、
77年運動の問題系を検討する。
その幸福と絶望とは、
私たちがいま生きているこの現実の
「予兆」だったのだから。
目次
未来がはじまった年 序文 1(日本語版への序文)
1997年からみた1977年 序文 2(新版への序文)
1987年からみた1977年 序文 3(1987年版の序文)
二つの派
文化の伝達
残余となった具体的なもの
「革命は終わり、ぼくたちは勝利した」
付録 Ⅰ 天下大乱
Ⅱ 叙情詩人から叙事詩人へ(悲劇詩人をよけながら)
技術の問いについて
人類学的カテゴリーとしての労働
創造的運動と生産的労働
付録 Ⅰ アリーチェ――偽善か共感か
弱い思想と精神の生態学
無垢の思想のために
世界じゅうの ひきこもりたちよ、団結せよ(日本の読者へ)
グローバルなメディア・アクティヴィズムの地図作成
日本へのステレオタイプ
組み換え資本と不安定労働
不安定性と精神病的主体形成
ラディカルな離脱のひとつのかたち――ひきこもり 訳者あとがき
もうひとつのオペライズモ ―― フランコ・ベラルディの場合 :1963年から1972年まで(廣瀬 純 解説)
ポテーレ・オペライオとその「二重のディスクール」
「ポテーレ・オペライオはネオレーニン主義組織である」(ネグリ)
「組織化は主観性の問題ではなく構成の問題である」(ビフォ)
「革命とコミュニズムは日常生活そのものである」(ネグリ)
フランコ・ベラルディ(ビフォ)へのインタヴュー :1973年から2008年まで(廣瀬 純 聞き手)
1973年から1979年まで
1980年から1989年まで
1990年から1999年まで
2000年から2008年まで
イタリア、1977年以後(北川眞也 解説)
77年 イタリア、「政治実験室」
イタリア、1980年代
イタリア、1990年代
1990年代、運動の季節へ
社会センター、運動の発信地
ジェノヴァ、2001年7月
移民とプレカリアート
デリーヴェアップローディ、アウトノミア運動関連の出版状況
イタリアの政治・運動関連年表 1973~1979年
索 引(人名索引/事項索引)