目次
はじめに
第一章 事業承継と後継者
一 社長が社長を作る義務と責任
二 仕事をペースダウンして心の準備をする
第二章 後継者候補を選び、後継者を決める
一 後継者候補を選ぶ
二 後継者を決定する
第三章 社長固有の仕事、必要な資質能力
一 社長固有の仕事
二 社長に必要な資質
三 社長に必要な能力
① 戦略発想と目標設定力 ② 人心融和力
③ リスクと挑戦のバランス感覚 ④ 優先順位を的確に判断できる力
第四章 後継者を社長に育てる
一 社長が後継者を社長にするためにとるべき行動
二 後継者の心の育て方
第五章 後継者の育ち方
一 育つための時間の価値
二 育てる責任と育ち方
三 「育つ」ための社長の役割
四 「育つ」環境づくりと機会の与え方
① 社長自身が良い環境になる ② 社外の環境で育つ
第六章 後継者を社長にする
一 代表取締役として残る
二 社長交代と同時に取締役を退任するか、監査役に就任する
三 取締役会長という選択
第七章 事業承継は会社が一番揺らぐとき
※最後まで読んでいただいたあなたへ
あとがき
前書きなど
あとがき
私は、北海道内の信用金庫におよそ一一年勤務し、その後、会計事務所の短い経験を経て税理士・中小企業診断士として独立開業して三一年が過ぎました。ですから、私は社会に出てから今日までのすべての年月を中小企業に関わる仕事に携わってきたことになります。
十数年前に縁があって中小企業の事業承継支援に多くの時間を割くようになってから今日までに二〇〇〇社を超える事業承継相談を受け、幅広い事業承継コンサルティングを行ってきました。
(中略)
事業承継に関する問題や課題は多様ですが、後継者に関する悩み、迷いや戸惑いは実に多くの社長たちが同じように抱いています。私はいつの頃からか、そんな社長の混沌とした悩みに助けとなる何らかの指南書を書かなければならないという使命感にかられるようになりました。そう思いながらも、原稿を書き上げるまでに仕事の合間の時間や休日を使って書き始めてから一年を超えたことになります。
その間に経験した事業承継相談でも多くの悩み、疑問や不安に向き合いながら、いくつものヒントやアイデアをいただいて原稿を何度も繰り返し加筆修正しました。
原稿を何度も読み直すうちに、困難な時代に立ち向かう後継者たちへの私の愛情やメッセージがあふれていることに気づきました。
この本を通して出会った社長の皆様には、事業承継で失うものより得るものの方がはるかに多いことを信じて、事業承継を通して後継者たちが育つ楽しみを実感してほしいと思います。
(中略)
まだまだ満足できる内容でないことは重々承知の上で、後継者の決定と育成に悩み苦しみながら目を逸らさず頑張る多くの社長に、感謝の意を込めてこの本を送り出します。