目次
はじめに 3
索引 5
ドキドキハラハラ1学期
1学期のひとことポイント 8
第1号〜第17号 9
チャレンジと覚悟の2学期
2学期のひとことポイント 82
第18号〜第33号 83
スタイルをつくる3学期
3学期のひとことポイント 150
第34号〜第47号 151
匠の技師
岡崎勝流教室通信
10のコツ 11のツボ 215
教室通信を彩る
ポイントカット集 223
あとがき 229
前書きなど
『ガラスの玉ねぎ』に登場する子どもたちは、「宇宙人」でもないし、マスメディアで騒がれている「子どもたち」でもない。ごく「フツー」の子どもたち。ボクが担任した、1年白組は、特別な子どもたちがあつまったわけではない。どこにでもある、やんちゃな、街の子どもたちなのだ。
入学したばかりの新1年生は、ひとつの「世界」を背負っているように見える。学校という未知の世界が、そこにある。入学したとたんに、子どもたちの見る世界、触れる世界、聞く世界、そのすべてが、突然四方八方に広がっていく。まあ、大人なら、ショックでしばらく寝込むような事態なのだ。
ところが、子どもたちは、その世界を背負いながら、思いっきり飛び跳ねる。着地を考えずに跳び、どこの港へ行くのかも知らずに船に乗り込む。好奇心と恐れがないまぜになり、学校世界への航海が始まる。
かれらが、28人集まって、ボクがもぐり込み、ブレンドされると、とたんに教室はワンダーランド。子どもたちのタンポポ色の笑顔や、照りつける太陽のような熱気、淡いパステルカラーのやさしさ、そして、厳しく吹きあれる感情のぶつかり合いが、流れるように次から次へと、教室に現れ出る。
それらを、ボクは可能なかぎり書き続けてきた。子どもたちを、過小評価も過大評価もせず、とにかく、あるがままを受け入れたつもりだ。かれらの色とボクの色を教室というパレットで混ぜ合わせ、どちらの色でもない、あたらしい色を出すという、その作業は、本当にゆかいだった。
さて、そんな子どもたちの虹のスペクトルを、ガラスの玉ねぎ越しでは、どんな風に見えるか、どうぞお楽しみください。