紹介
若者は本当に保守化したのか。本当に生活満足度は高いのか。自分を肯定する若者は多いのか。現状を肯定するようになっているのだろうか。
「若者論」で時に印象論として語られるこれらの事柄は、すでに豊かになった今の日本社会で、若者たちが革新を求めず、現状を肯定するようになったことのあらわれとして捉えられ、広い意味で若者が保守化したという言説にも結びつけられている。
本書では、大規模社会調査データに基づき、若者の「今」を客観的に描き出す。権威主義、政治、現在志向、幸福、消費、労働、ジェンダー、高学歴志向等の幅広いトピックを扱い、若者の意識の中にある「分断」に着目しながら分析する。
[お詫びと訂正]
2019年8月12日配信開始の電子版について、
一部誤りがございましたので、以下のとおり訂正させていただきます。
こちらをご覧ください
目次
目次 (すべて仮題)
序章 分断社会を生きる若者たち(吉川徹・狭間諒多朗)
第1章 現在志向から捉える現代の若者 ―学歴による現在志向の違いと若者のおとなしさに注目して(狭間諒多朗)
第2章 若者の従順さはどのようにして生み出されるのか ―不透明な時代における権威主義的態度の構造
(濱田国佑)
第3章 若者はなぜ自民党を支持するのか ―変わりゆく自民党支持の心情と論理(松谷満)
第4章 若者の保守的態度は消費を抑制するのか ―プレミアム商品の購入と海外旅行に注目して(狭間諒多朗)
第5章 若者の人生評価 ―「幸福」と呼ばれる理想の適応(ホメリヒ・カローラ/清水香基)
第6章 非大卒若者の大学離れ(吉川徹)
第7章 若者にとって自由な働き方とは何か ―非正規雇用、ワーク・ライフ・バランス、仕事の自己決定性
(米田幸弘)
第8章 性別役割分業意識の新局面 ―拡がりゆく若年男女の意識差(吉川徹)
あとがき