ローズGさんの書評 2021/03/04 3いいね!
三浦春馬さんが遺してくれた『 日本製+Documentary PHOTO BOOK 2019-2020 』
まず、日本製
実際に本書を手に取ると、まるで参考書の様に厚み重みがあり、開けてみれば写真はあくまでも程良いバランスで文はぎっしり並んでおり……手にした瞬間から「これは本格的だぞ!」と手応えを感じ、読む前から無性にワクワク嬉しくなった事を覚えています。
そしていざ読み始めてみると…想像以上に「タレント本」ではなく、しっかりと日本の伝統や文化の素晴らしさ、その価値を見直す機会ですら与えてくれます。加えて春馬さんの様な誠実且つ謙虚で穏やかな空気も書全体に流れており、その様な空気に包まれながら彼の母国に対する敬意と愛情をひしひしと感じる事ができました。
しかしそれだけではありません。
春馬さんの飾り気のない手書きの見出しをはじめ、地域毎のコラムには慎重で素直な彼らしい言葉選びが垣間見れます。
又、取材先での裏側エピソードでは、春馬さんの食いしん坊、マイペースぶりを覗く事ができ、時々クスッと笑顔になれる様な要素も含まれ魅力溢れる出来上がりになっています。
更に、巻末のロングインタビューによって、本書や仕事に対する深く熱い想いをより強く感じ、最後の最後に哀惜の念に駆られることとなりました。。
そして、ドキュメンタリーフォトブック
こちらはカラーではなくモノクロで、春馬さんご本人が仰っていたように正にドラマチックな仕上がりになっています。先に色が目に飛び込んでくるわけではないので、よりダイレクトに表情や動きを取り込む事ができます。
舞台裏の春馬さんをこうしてひとつひとつ眺める中で、そのありのままの姿から改めて日々の努力や役への想いを、このフォトブックからも教えて頂いたように思います。
改めまして
この「日本製」という作品は、
三浦春馬さんの母国日本への誇りや未来に対する切なる願いまでも読み手に伝わる素晴らしい書です。
この素晴らしい書が、どうかひとりでも多くの方の手に渡りますように。
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