目次
序 帝国と地域社会に関する覚書 ………………………………白木沢旭児
1 帝国主義から帝国へ
2 北東アジアと地域社会
3 本書の構成
第1部 帝国のプレゼンスの原初形態
第1章 「トコンヘ一件」再考
─北蝦夷地ウショロ場所におけるアイヌ支配と日露関係─
…………………東 俊佑
はじめに
1 「トコンヘ一件」のあらまし
2 ロシア人によるアイヌの借用
─日露「雑居」下におけるサハリン島現地の対応─
3 ハウトンマカの選択
4 ヲフツセリとロシア人の内通
5 「強奪土人」の帰村
まとめにかえて
第2章 日露戦争期から辛亥革命期の奉天在地軍事勢力
─張作霖・馬賊・陸軍士官学校留学生─ ………………及川琢英
はじめに
1 張作霖・馬賊と日露戦時特別任務班
2 張作霖の昇進と馬賊の清国官軍編入・日本人監督官の招聘
3 辛亥革命と張作霖・馮徳麟・陸軍士官学校留学生
おわりに
第2部 帝国と「勢力圏」
第3章 植民都市・安東の地域経済史
─2つの帝国のはざまで─ ……………………………白木沢旭児
はじめに
1 植民都市・安東
2 2つの帝国 ─商人の世界─
3 2つの帝国 ─工業発展の諸相─
おわりに
第4章 日中合弁企業:営口水道電気株式会社の経営展開
…………………秋山淳子
はじめに
1 都市営口の概要
2 営口水電の特徴と事業展開
3 経営をめぐる日中関係─対抗と協同─
おわりに
第5章 1940年代初頭の奉天市における中国人工場の地域分布
─『満洲国工場名簿』の分析を中心として─
…………………張 暁紅
はじめに
1 地域区分と人口分布
2 工場分布
おわりに
第6章 朝鮮人「満洲」移民体験者の語りの諸相についての一考察
─ライフヒストリー(生活史)法を用いて─
…………………朴 仁哲
はじめに
1 ライフヒストリー(生活史)法を用いる理由
2 朝鮮人の満洲への移住過程
3 移民体験者たちの語りの諸相
おわりに
第7章 日中戦争までの日中関係を改善するための胡適の模索
─胡適の日記を中心に─ …………………………………胡 慧君
はじめに
1 胡適における日本,中国および日中問題改善の基本的な考え方
2 太平洋問題調査会と中国参加の背景
3 第三回会議(京都会議)
4 第四回会議(杭州・上海会議)
5 第五回会議(バンフ会議)
6 第六回会議(ヨセミテ会議)
結 び
第3部 帝国と「公式植民地」
第8章 旧植民地在住日本人の記憶とその記録 …………………辻 弘範
はじめに
1 福岡市総合図書館「郷土・特別収蔵室」所蔵自伝資料
2 自伝執筆者たちの記憶と「植民地」
おわりに
第9章 第二次朝鮮教育令施行期(1922~1938年)における
女子高等普通学校卒業生の進路選択について
…………………崔 誠姫
はじめに
1 第二次朝鮮教育令施行期の女子教育─初等教育と中等教育─
2 女子高等普通学校卒業生の進路選択
おわりに
第10章 植民地企業城下町の構築と変容
─日本窒素肥料の事例─ …………………………………内藤隆夫
はじめに
1 日本窒素肥料の朝鮮における事業展開
2 企業城下町の形成
3 植民地企業城下町の実態とその変容
おわりに
第11章 朝鮮北部残留日本人の活動と「脱出」・「公式引揚」
─日本窒素肥料の事例─ …………………………………内藤隆夫
はじめに
1 敗戦と日本人世話会
2 日本人の工場締出しと再入場
3 技術者の役割
4 「脱出」と「引揚」
おわりに
第12章 日本の植民地下における生漆「国産化」の展開過程
…………………湯山英子
はじめに
1 漆「国産化」の背景
2 台湾における安南漆導入過程
3 斎藤漆店の海外展開
4 戦後への連続
まとめと課題
第13章 日本領期の樺太における温泉開発と
温泉をめぐる人びとの精神誌 ……………………………池田貴夫
はじめに
1 日本領期に開発された主な温泉地
2 21世紀初頭のサハリンにおける川上温泉と遊仙閣跡地
3 樺太島民の温泉をめぐる精神誌
おわりに
あとがき
事項索引
人名索引
執筆者一覧