目次
序 章 対話の意味
1 医療における心理的ふれあい
2 病気における心理的役割について
第 1章 病識に影響をおよぼす脳障害者の自己意識
1 脳障害者は自分をどうみるか
2 症例の検討
第 2章 「気づき」の語義の問題と,人間主義的アプローチにおける病理観
1 心理臨床における「気づき」
第 3章 病識の心理臨床的視点
1 「気づき」を支える概念的枠組み—「I」と「me」からの把握
2 患者−治療者間の意識の主体・被主体の関係
3 脳障害者における意識の主体・被主体の関係
4 治療的指標としての「病識段階」
第 4章 リハビリテーションの視点からの心理療法
1 職業カウンセリングと治療カウンセリング
2 リハビリテーション心理臨床について
3 治療カウンセリング
4 個人カウンセリングの枠組み
5 前病識で停滞を示した脳障害児の心理療法の実際—病態失認の回復過程に関する研究
第 5章 病識障害に対する心理治療の組織化
1 病態失認と疾病否認
2 相貌失認をともなう重度の病態失認症例
3 痴呆患者に対する病識回復訓練の適用
4 書字応答からみた病識回復例
5 心の足場としての「見当識—いま,ここで」
第 6章 本研究における治療セッティング—心理治療の枠組みとしての「病識段階」