目次
はじめに
第I部 歴史・文学の中の人と生物
第一章 縄文土器造形に見る`ヒト-動物関係'の始まり……小杉 康
一 生き物が生きるために生き物を食べる
二 エピソードI――ヒトは狩猟者か、それとも獲物か
三 エピソードII――猟犬の誕生
四 思考実験装置としての「縄文土器型式編年」
五 縄文土器文様発達史(抄)・四つの顔をもつ土器の登場まで
六 4-2=2の土器
七 人体文の出現から人獣土器の成立まで
八 人獣土器の展開
九 縄文中期の神話的思考
一〇 宮沢賢治の世界へ、ようこそ
第二章 日本最古のテーマパーク?――奈良公園に見る人とシカの関係史……立澤史郎
一 奈良のシカと奈良公園
二 「春日野のシカ」から「春日神鹿」へ
三 保護から管理へ
第三章 生きた唐物……橋本 雄――室町日本に持ち込まれ、朝鮮に再輸出された象と水牛
一 日本に初めてやってきた象
二 政治的象徴物としての象
三 黒象、朝鮮へ贈られる
四 象はなぜ贈られたのか
五 贈った水牛を取り戻す
六 水牛の政治的・文化的寓意
第四章 ありふれた〈動物〉は、いかにしてただならぬ〈怪物〉になるか ……武田雅哉
一 〈ありふれた羊〉は〈ただならぬ植物羊〉となる
二 〈ありふれたサイ〉は〈ただならぬ一角獣(ユニコーン)〉となる
三 〈ありふれたゾウ〉は〈ただならぬ……〉に 第II部 哲学・思想における人と生物
第五章 木は法廷に立てるか――生物を尊重するとはどういうことか……蔵田伸雄
一 動物の解放
二 すべての動物は平等なのか
三 自然の権利訴訟
四 動物解放論
五 非-人間中心主義と生物の内在的価値
第六章 動物たちの孤独……佐藤淳二
一 魔術師とその馬たち
二 声を追放すること
三 吃音者の孤独あるいはイソップのイチジク
四 動物、我らの内なるよそ者
五 自然と文明の差異、オオカミ男はもういない
六 「咳をしてもひとり」、動物のような孤独
七 大いなる分割を越えて
第七章 博物学者アリストテレスとダーウィン……千葉 惠 ――目的論的自然論と進化論は両立可能か
一 ナチュラリスト
二 三種類の説明の理論とアリストテレス的可能性
三 ネオダーウィニズム
四 共約性と優越性
五 目的因の存在証明
六 端的必然性と条件的必然性の両立
第III部 現代社会における人と生物
第八章 人間の幸福と動物の幸福――動物実験者の立場から……和田博美
一 動物実験に対する考え方
二 科学的合理性
三 法規制と自主管理
四 3Rの原則
五 苦痛カテゴリー
六 人道的エンドポイント
七 安楽死処置
八 利用目的による動物の愛護と福祉
九 北海道大学における動物実験
一〇 適正な動物実験のために
第九章 外来生物のはなし――人間がもたらした生態系への新たな脅威……池田 透
一 多様な問題を包含する外来生物問題
二 外来生物とは?――外来生物の定義
三 日本に外来生物はどれくらい存在するのか?
四 外来生物の導入経路
五 外来生物によって引き起こされる諸問題
六 生物多様性条約と外来生物
七 世界で猛威を奮う外来生物
八 外来生物による間接的影響
九 外来アライグマによる影響と対策のあり方
一〇 外来生物対策の本来の目的
おわりに
図表一覧
執筆者紹介