目次
はじめに
序章 「新自由主義グローバリズム」と家族農業経営 (村田 武)
「新自由主義グローバリズム」が生み出した「無惨」
「持続可能な開発目標」(SDGs)と家族農業
「新自由主義グローバリズム」とWTO農産物自由貿易体制
途上国の台頭とアメリカの多国間貿易交渉から2国間貿易交渉への逃避
バイオテクノロジー農薬・種子アグリビジネスの登場
先進国に共通する中小農家経営の減少と農業構造の変化
先進国におけるアグリビジネス主導の「農業の工業化」へのオルタナティブ
第Ⅰ部 アメリカ北東部ニューイングランドにみるオルタナティブ
第1章 マサチューセッツ州の「ローカルフード」運動 (椿 真一)
1.ニューイングランドの農業
2.多国籍アグリビジネスによる農業・食料支配と農場の二極分化
3.オルタナティブとしてのローカルフード・システム
4.貧困層の拡大と食料確保の問題
5.JD農場
6.雇用型法人経営─TM農場
7.農場を運営する非営利組織─ザ・フード・プロジェクト
8.ローカルフード・システムの構築に向けた今後の課題
第2章 ニューイングランドの酪農協同組合と小規模酪農 (佐藤 加寿子)
1.アメリカ酪農における産地移動と経営規模拡大…
2.加工事業型酪農協として展開するアグリマーク協同組合
3.組合員農場
第3章 マサチューセッツ州の都市近郊農場と保全地役権 (橋本 直史)
1.保全地役権による農地保全
2.MA州における保全地役権制度による農地保全の展開
3.農地保全制度(APR)による農地保全の取り組みの現段階
おわりに
第Ⅱ部 EUにおける農政と家族農業経営の現段階
第4章 EU共通農業政策(CAP)の新段階 (平澤 明彦)
1.既往のCAP改革
2.2013年CAP改革の新たな展開
3.分権の強化をめざす次期CAP改革案
おわりに
第5章 ポーランドの家族農業経営と今後の課題 (弦間 正彦)
1.体制転換と家族農
2.家族農の存在構造
おわりに
第6章 イギリスの家族農業経営とブレグジット農政改革 (溝手 芳計)
はじめに
1.イギリス農業における家族経営の位置
2.近年におけるイングランド家族農業経営の苦境
3.家族農業経営の圧迫要因
4.ブレグジット農政改革と農業者団体の対応
第7章 ドイツ・バイエルン州にみる家族農業経営 (河原林 孝由基)
1.農業構造の激変と迫られる気候変動・環境問題への対応
2.協同バイオガス発電事業と家族農業
3.有機農業に活路を見出す
第8章 フランス・ブルターニュにみる家族農業経営─酪農を中心に─(石月 義訓)
はじめに
1.ブルターニュ地方の酪農家族経営とその存在形態
2.生乳生産クオータ制の廃止と酪農家族経営の対応
3.酪農家族経営のオルタナティブな対応
第9章 イタリアにおける「ショートフードサプライチェーン」の展開と小規模家族農業(岩元 泉)
1.イタリアにおける有機農産物市場
2.GAS(連帯購買者グループ)の生成と展開
3.SFSCの多様化
4.イタリアの家族農業