目次
はじめに
序 章 なぜ「メディア」を問うのか
1 保守言説の広がり
2 これまでの調査研究でわかっていること
3 本書の対象――歴史修正主義と一九九〇年代
4 「何が語られたか」ではなく「どこで/どのようにして語られたか」
5 本書のアプローチ――コンバージェンス文化
6 本書の構成
第1章 歴史修正主義を取り巻く政治とメディア体制──アマチュアリズムとメディア市場
1 歴史修正主義の特徴
2 歴史修正主義はどこで/誰が展開しているのか
3 教科書をめぐる政治運動と右派メディア知識人
4 歴史修正主義をめぐるメディア市場
第2章 「歴史」を「ディベート」する──教育学と自己啓発メディア
1 「自由主義史観」と「ディベート」
2 「歴史」を「ディベート」する
3 メディアでのディベート表現の展開
第3章 「保守論壇」の変容と読者の教育──顕在化する論壇への参加者
1 「論壇」の輪郭と「論壇」の問い直し
2 読者の「教育」――読者コーナーのメディア論
第4章 「慰安婦」問題とマンガ──『新・ゴーマニズム宣言』のメディア論
1 これまで小林よしのりはどう語られてきたか――先行研究と本書のアプローチの違い
2 「慰安婦」問題を否定する保守言説の構築とそのメディア特性
3 「読者」の扱いと言説空間の構築
第5章 メディア間対立を作る形式──〈性奴隷〉と新聞言説をめぐって
1 〈性奴隷〉の初出をめぐって
2 主要新聞報道で〈sex slaves〉はどのように用いられたか
3 批判の「形式」へのこだわり
終 章 コンバージェンス文化の萌芽と現代──アマチュアリズムの行方
1 コンバージェンス文化の萌芽
2 コンバージェンス文化の現在
おわりに