目次
はじめに 山崎明子
第1章 男/女の差異化――医学的言説における乳房 黒田加奈子
1 医学史概略とジェンダー
2 医学史に見る乳房・乳をめぐる言説――体液としての乳
3 薬剤としての乳
第2章 美の威嚇装置 山崎明子
1 ピンクリボンキャンペーンとは
2 ピンクリボンキャンペーンの歴史
3 蓄積される乳房の表象
4 新たな意味創造の困難
5 「乳がんではない」美しい身体
6 表象の裏切り
7 ピンクリボンキャンペーンをめぐる表象の政治学
第3章 「聖戦」論理の構築 池川玲子
1 戦時下日本映画にみる「授乳」のイメージ
2 銃後映画の「授乳」イメージ
3 戦地・占領地映画の「授乳」イメージ
4 満洲移民映画の「授乳」イメージ
第4章 都市秩序の再生 新保淳乃
1 ペスト危機と乳房イメージ
2 ペスト図像での乳房イメージ
3 授乳しない乳房の系譜
4 都市秩序の再生
第5章 男性優位のジェンダー秩序の再編/強化 千葉 慶
1 「危機」の時代の/「危機」に抗する日本映画――レイプ表象の生産/消費の背景
2 「俺たちをケダモノにしたのはお前たちじゃないか」――「劣情有理」とレイプ表象
3 「あんたも、お嬢さんなんて仮面を早く取ることだな」――「レイプ神話」の定着へ
あとがき 山崎明子