目次
まえがき
トランスパシフィック・エコクリティシズムの航路を拓く
(伊藤詔子)
序――トランスパシフィックな想像力と
経験のエコクリティシズム
(スコット・スロヴィック/城戸光世訳)
Ⅰ 太平洋を横断する語り手たち
1 閃光とゴースト――更新する〈ヒロシマナラティヴ〉
(伊藤詔子)
2 環太平洋の地図を紡ぐ足跡
――ナナオ サカキと文学的伝統
(塩田弘)
3 フォークナー、三島、莫の自然・文化・ジェンダーの表象
(クリストファー・リーガー/松岡信哉訳)
4 ディヴィッド・マス・マスモト、フード・ポルノ、
食運動の政治学
(セレナ・チョー/水野敦子訳)
5 海を越えたエコモンスター――ゴトーの『カッパの子ども』
における種とセクシュアリティの交錯
(岸野英美)
6 収容所をめぐる三つのテキスト――カレン・テイ・ヤマシタ
の『記憶への手紙』におけるポストコロニアルポリティックスの攪乱
(牧野理英)
Ⅱ 気候変動、エコディストピア、アクティヴィズム
7 気候の暴力、抵抗の精神――チャンネ・リー『その満潮の海に』
とルイーズ・アードリック『生ける神の未来の家』
(マイケル・ゴーマン/松永京子訳)
8 気候変動の遅い暴力と新たなドリーミングの創出
――アレクシス・ライトの『スワン・ブック』にみる
貧者の環境主義
(一谷智子)
9 人新世と向き合う演劇――マラゲクの『空を切る』
(ヘレン・ギルバート/一谷智子訳)
10 マーシャル諸島から太平洋を越えて
――キャシー・ジェトニル=キジナーとロバート・バークレー
による戦争・核/ミサイル実験・地球温暖化の表象
(小杉世)
11 極北の化学物質汚染――狩猟採集民の自然観を理解する
(林千恵子)
12 ブラジル文化における環境主義
――女性、インターネット、コーデル文学
(セリア・ボラ/吉田美津訳)
Ⅲ 環太平洋圏の核表象
13 クジラと原子炉――世界の捕鯨文学からの批評的視座
(湊圭史)
14 「ナガサキ」を語り直す
――スーザン・サザード『ナガサキ 核戦争後の人生』
(高田とも子)
15 終わりの後に
――ポストアポカリプス小説とトランスパシフィックな想像力
(松岡信哉)
16 ジョナサン・フランゼンの『ピューリティ』における
核とリアリズム
(川村亜樹)
17 ダグラス・コープランド文学における閃光・爆発・きのこ雲
――世代論としての核表象からエネルギー問題の啓発へ
(荒木陽子)
18 オクトジラ、海を渡る――循環するウランの物語
(松永京子)
19 身体的フィールドワークと危険な芸術
――ピーター・ゴインと核の風景の制作
(シェリル・グロットフェルティ/伊藤詔子訳)