紹介
「平田オリザが舞台で造形しようとしているのは、『いかなる既存の過激さの表象にも回収されない種類の過激さ』ではないかと思う。」 (内田 樹)
既存の演劇制度を否定し、青年団を率いて構築した方法論に即し、“日常”を演劇にかえる〈静かな演劇〉というスタイルを確立した第一人者の代表作品を論じた初の批評集!
小津安二郎の映画『東京物語』をモチーフにした『東京ノート』(岸田戯曲賞)、もう1つの代表作『ソウル市民』、日韓合同制作『その河をこえて、五月』、フランスとの国際演劇交流プロジェクト『別れの唄』、ロボット演劇『森の奥』、『三人姉妹』……など、旧来とまったく違う発想で演出してきた主要作品を俎上に乗せ、気鋭の批評家が論じる。
目次
第一章 様式としての〈静かな演劇〉──平田オリザ‐青年団の方法論
第二章 〝日常〟を演劇にかえる方法論──青年団『東京ノート』
第三章 見えないものを見る──青年団『ソウル市民』
第四章 こえていこうとすること──日韓共同制作『その河をこえて、五月』
第五章 〝溝〟から〝橋〟へ──青年団国際演劇交流プロジェクト『別れの唄』
第六章 ロボット演劇プロジェクトの射程 ──ロボット版『森の奥』からアンドロイド版『 三人姉妹』
第七章 〝ポスト平田オリザ〟の展開──岡田利規『三月の5日間』の言葉と身体