目次
▼ラフカディオ・ハーンにおける「虫の文学」(大東俊一)
1 はじめに
2 来日前のハーン——昆虫への関心
3 来日前のハーン——輪廻説と進化論
4 日本文化への通路
5 輪廻転生説と汎神論
6 ハーン独特の進化論
7 おわりに
▼モグラのイメージ——17世紀イギリスを映す鏡(山根正弘)
1 モグラ登場
2 亡霊としてのモグラ
3 蟻と並列されるモグラ
4 モグラ塚とオリンパスの山
5 モグラの目
6 スパイとしてのモグラ
7 過激派のモグラ
8 体内を巡るモグラ
9 むすび
▼リヴァイアサンは海獣か人造人間か——ホッブズのリヴァイアサン解釈(小林弘)
1 はじめに
2 言語分析のための道具概念の作成——記号・記号の象徴的イメージ・記号の象徴作用
3 リヴァイアサンの分類
(a)神話的・悪魔的リヴァイアサン(b)神話的・非悪魔的リヴァイアサン(c)非神話的・非悪魔的リヴァイアサン
4 ホッブズのリヴァイアサンの用例
5 おわりに
▼比喩としての寄生虫——『ガリバー旅行記』から『ハリー・ポッター』まで(横田由起子)
1 はじめに
2 比喩としての寄生虫と「労働」との結びつき
3 比喩としての「寄生虫」と生物としての寄生虫
4 医動物学的観点から見た比喩としての「寄生虫」
5 「寄生虫」と国家論
6 『種の起原』と「寄生虫」
7 寄生虫に対する恐怖と比喩としての「寄生虫」
8 「寄生虫」の比喩の現在
9 おわりに
▼「黄金の鯉」のエピファニー——ルドルフォ・アナヤ『ウルティマ、ぼくに大地の教えを』(佐久田英子)
1 「黄金の鯉」伝説の序章
2 物語に生きる「黄金の鯉」
(1)ウルティマの光と影(2)調和の象徴グアダルーペの聖母マリア(3)マレスの血とルナの血(4)象徴の町グアダルーペ(5)アントニオの変容(6)「黄金の鯉」のエピファニー(7)善きものと、強きものと、美しきものと
3 作家の原点に生きる「黄金の鯉」
(1)チカノのルーツとしての中国(2)東洋に生きる黄金の鯉——その1(3)東洋に生きる黄金の鯉——その2(4)チカノのルーツとしてのアストラン
4 作家ルドルフォ・アナヤへの終章
▼オオアオサギの死 生への希望——マーガレット・アトウッド『浮かびあがる』(塚田英博)
1 マーガレット・アトウッド
(1)カナダの森のアトウッド(2)世界的に知られているアトウッド
2 『浮かびあがる』の謎
(1)プロット(2)2つの謎
3 オオアオサギが表すもの
(1)オオアオサギ以外の動物——父と母の思い出とともに(2)オオアオサギ——主人公の変容のきっかけ
4 主人公の心的推移
(1)迫りくる現実(2)動物への変容
5 エンディングが意味するもの
6 浮かび上がるものとオオアオサギの意味
7 むすび
▼ヴィクトリア朝の化石動物幻想——H. G. ウェルズの「エピオルニス島」について(橋本順光)
1 マダガスカルのエピオルニス
2 エピオルニスの発見と「エピオルニス島」
3 リチャード・オーウェンの影と化石動物の復元
4 ロック鳥とオオウミヘビのあいだに——証言と証拠と証明と
5 ロビンソン・クルーソーの生存競争