目次
序
■第I部 物語作家の挑戦〜カラクリをしかけるポー
▼第1章 はじめに『ユリイカ』ありき〜単純さへの熱望
1 破滅への道
2 真実へいたる道
3 神の心臓
4 神のプロット
5 『ユリイカ』による改訂
▼第2章 楽園物語〜詩人の夢
1 宇宙論から楽園物語へ
2 楽園喪失〜「エレオノーラ」
3 幻想のヴァージンランド〜「ウィサヒコンの朝」
4 人工庭園〜「アルンハイムの地所」
5 理想の構成美
▼第3章 冒険物語〜アーサー・ゴードン・ピムの反転する世界
1 長編小説をめぐる評価のズレ
2 虚と実のあやうさ
3 偶然に翻弄される世界
4 無意識界への急降下
5 裏返された白いページ
▼第4章 美女物語〜精神と肉体の相克
1 死の恐怖と書くこと
2 創造と狂気〜「約束ごと」「ベレニス」「モレラ」
3 精神と肉体の相克〜「ライジーア」と「アッシャー家の崩壊」
4 恐怖と美
▼第5章 推理小説〜芸術と大衆のはざま
1 推理小説の誕生
2 物語と批評の融合〜「モルグ街の殺人」
3 富と芸術の融合〜「マリー・ロジェの謎」と「黄金虫」
4 ゴシック小説への回帰〜「盗まれた手紙」
5 推理小説から宇宙論へ
■第II部 北部文壇への挑戦〜反動からアメリカ文学創生へ
▼第6章 「眼」をめぐる物語I〜「私」の住処は頭か胴体か?
1 ポーと超越主義
2 エマソンの超越〜消える肉体/残る眼
3 「ある苦境」〜消えない肉体
4 「悪魔に首を賭けるな」〜消えた頭部
▼第7章 「眼」をめぐる物語II〜信頼できない自己
1 「私」を見つめる「私」
2 「アッシャー家の崩壊」〜個人主義とナルシシズム
3 「ウィリアム・ウィルソン」〜一つではない自己
4 「群衆の人」〜理解されない自己
5 読まれざるテクスト
▼第8章 「眼」をめぐる物語III〜見つめ返す眼
1 「ライジーア」〜宇宙を映す眼
2 「告げ口心臓」〜濁った眼
3 「黒猫」〜えぐられた眼
4 介在する自己意識
▼第9章 ふたたび『ユリイカ』へ〜収縮する宇宙/膨張するアメリカ
1 『ユリイカ』の雑多な言説
2 物質と精神の完全なる変換可能性
3 認識のコペルニクス的旋回
4 アメリカの叙事詩