紹介
「論理的な思考を育てるための実践的テキスト」として、アメリカの学校教育におけるロング&ベストセラー、The Aims of Argument, Mayfield Pub. Co., 2000の翻訳本です。翻訳には、小社ロングセラー『レポート・論文の書き方入門』の著者らがあたり、使いやすい日本語版となりました。
話す・書くを通じた論理性を根づかせることを目的に、アーギュメントという英語を「議論」と訳しています。「論理に飛躍がある」、「論理的に欠落がある」とはどういう文章をいうのか、それをどのように修正すればよいのか、などについて、実際に書かれた論文・文章をチェックし、自分で書いていく過程を説明することで理解できる、ユニークな実用書です。今、社会的な論争を呼んでいるトピックについての様々な立場の文章が掲載され、教材として、自習用として、読むだけでも刺激に富む1冊です。
目次
解題 アーギュメント(議論)教育のために
議論の目的の比較:要約
第1章 基本用語の概要
I 議論(アーギュメント)とはなにか?
II 議論(アーギュメント)にどうアプローチするか?
第2章 議論を読む
I まず読む前に
II 読みこなす
III 読み終わって
第3章 議論を分析する 簡易化したトゥールミン法
I 準備段階としての批判的リーティング(読解)
II トゥールミン法の段階的デモンストレーション
III 分析から真理探究へ
第4章 書く準備 真理探究のための議論
I 真理探究の重要性
II 真理探究のための質問
III 真理探究と文中の議論:対話のプロセス
IV 議論を評価する・真理探究に基づいた分析
V 広範囲にわたる見解を参照する
VI 仲間が行う真理探究を利用しよう
第5章 主張をする 論理的に納得させるための議論
I 論理的に納得させることの特徴:構造とストラテジー
II 論理的に納得させるプロセス
第6章 全人格に訴えかける 説得するための議論
I 強調の仕方:いつ論理的に納得させ、いつ説得をするか
II 読者を分析する
III 「説得をするための議論」を読む
IV アピールの形式を使う
V 説得の議論の草稿を書く
第7章 交渉を仲裁 衝突を解決するための議論
I 交渉と、それ以外の議論の目的
II 交渉と仲裁の過程
III 仲裁のための論文
あとがき
索引