紹介
『負債論』は21世紀の『資本論』か?
現代人の首をしめあげる負債の秘密を、貨幣と暴力の5000年史の壮大な展望のもとに解き明かす。資本主義と文明総体の危機を測定し、いまだ書かれざる未来の諸可能性に賭ける、21世紀の幕開けを告知する革命的書物。トマ・ピケティなど、欧米で絶賛!
人類にとって貨幣は、交換という利便性の反面、バブルなどの破局に向かう幻想の源泉でもある。人類史的な視座から、このような貨幣の本質からリーマン・ショックやギリシア・デフォルト問題などの国際的金融的危機を解明する壮大な構想を展開する。産業資本が衰退し、金融資本が質的、かつ量的に拡大する今日、現代資本主義を理解する上で必読の文献である。
目次
第1章 モラルの混乱の経験をめぐって
第2章 物々交換の神話
第3章 原初的負債
第4章 残酷さと贖い
第5章 経済的諸関係のモラル的基盤についての小論
第6章 性と死のゲーム
第7章 名誉と不名誉 あるいは、現代文明の基盤について
第8章 「信用」対「地金」―そして歴史のサイクル
第9章 枢軸時代(前八〇〇―後六〇〇年)
第10章 中世(六〇〇― 一四五〇年)
第11章 大資本主義帝国の時代(一四五〇から一九七一年)
第12章 いまだ定まらぬなにごとかのはじまり(一九七一年から今日まで)