目次
まえがき
序文
Part 1 概念的問題点と研究へのアプローチ
A 発達精神病理学
第1章 発達と精神病理学:ライフコースの展望
第2章 診断、診断フォーミュレーション、分類
第3章 神経発達症群/神経発達障害群
第4章 秩序破壊的行動障害における概念上の問題と経験上の課題
第5章 情動と情動制御、情動の障害:臨床家と神経科学者のための概念上の問題
第6章 アタッチメント:正常発達・個人差・過去のアタッチメントに関する経験との関連
第7章 乳幼児期のメンタルヘルス
第8章 気質:人格に先行する反応性と調節性の個人差
B 神経生物学
第9章 発達精神病理学に関する神経生物学的観点
第10章 システム神経科学
第11章 児童精神医学における神経画像
C 疫学、介入、サービス
第12章 小児精神保健問題に関連する因果関係を研究するための自然実験と動物モデルの利用
第13章 疫学を用いて、メンタルヘルス問題を抱える児童青年期の子どものためのサービスを計画し、組織化し、評価する
第14章 介入の評価
第15章 臨床医にとって必要な統計学的問題や方法に関する知識
第16章 グローバル精神医学
第17章 精神障害の予防とコンピテンスの促進
第18章 医療経済
第19章 精神保健問題を持つ子どもの保護と治療における法律問題
第20章 子どもの証言:子どもの陳述の信頼性を評価する科学的枠組み
第21章 施設ケアと里親養育
第22章 養子縁組
Part 2 精神病理への影響
第23章 環境による生態への影響
第24章 遺伝学
第25章 精神障害の脆弱性に対するエピジェネティクスと発達時期での始まり
第26章 心理社会的逆境
第27章 レジリエンス:その概念、知見、臨床的意味
第28章 親の精神障害と身体疾患の影響
第29章 子どものマルトリートメント
第30章 子どもの性的虐待
第31章 脳障害と精神病理
Part 3 臨床で遭遇する問題へのアプローチ
A 臨床評価
第32章 臨床評価と診断のフォーミュレーション
第33章 臨床における、構造化面接、評価尺度、観察手法の使用
第34章 臨床状況における心理学的評価
第35章 身体診察と医学検査
B 役に立つ治療への配慮と選択
第36章 心理学的治療介入:概観と臨床現場における重要な論点
第37章 ペアレントプログラム
第38章 認知行動療法と行動療法、および関連する児童治療方法
第39章 家族への介入
第40章 対人関係を基本とした治療
第41章 子どもの学習障害に対する教育的介入
第42章 学校における精神保健支援
第43章 薬理学的治療、身体治療、身体関連治療
C 臨床で遭遇する問題と特異的な臨床状況での問題
第44章 難民および亡命者、国内避難民の児童青年
第45章 小児科コンサルテーションと身体疾患の精神医学的側面
第46章 HIV/AIDS 影響下の児童青年のメンタルヘルスとレジリエンス
第47章 特定の感覚障害を持つ子どもたち
第48章 非専門的地域医療におけるアセスメントと治療
第49章 司法精神医学
第50章 集中治療のこれから:訪問診療、デイプログラム、入院治療
Part 4 臨床症候群:神経発達、情緒、行動、身体-脳に関する臨床症候群
A 神経発達臨床症候群
第51章 自閉スペクトラム症
第52章 発話、言語、コミュニケーションの障害
第53章 読字、算数、運動発達の障害
第54章 知的能力障害
第55章 ADHDと多動性障害
第56章 チック症群
第57章 統合失調症および精神病
B 情緒に関する臨床症候群
第58章 アタッチメント障害と.奪に関連する対人交流
第59章 心的外傷後ストレス障害
第60章 不安症群
第61章 強迫症
第62章 児童期における双極性障害
第63章 児童青年期の抑うつ障害群
第64章 自殺行動と自傷
C 行動に関する臨床症候群
第65章 反抗挑発症および素行症
第66章 物質関連障害群および嗜癖性障害群
第67章 パーソナリティ障害
第68章 サイコパシーの発達的リスク
D 身体-脳に関する臨床症候群
第69章 性別違和とパラフィリア(性嗜好障害)
第70章 睡眠への介入:発達的観点
第71章 哺食障害と摂食障害
第72章 身体表現性障害および関連障害
監訳者あとがき
索引
執筆者一覧
監訳者および翻訳協力者一覧
前書きなど
まえがき
1976年の本書初版の序文ではSir Aubrey Lewis の言葉を引用して、精神科医は「論理的思考と理解」を身につけて、彼が研究の中で「科学的で人間味のある気質」と呼んだものを持ち合わせる必要があることを述べた。その願いは本書の初版以来一貫したものであり続けている。すなわち、この教科書の主要な部分は現在の経験的な所見についての知識ではあるが、その概念についても少なくとも同等の重みを置くことで読者が新しい所見とそこから生まれる新しい考え方に対応できるようにもしてきた。第6版はこれまで以上にその特徴を強めている。本書の各章では科学的および臨床的研究の両方に不可欠である探求的な方法論と臨床実践の進め方が適切なバランスで織り込まれている。私は新たな編者チームがこの作業をうまく引き継いでくれたことを嬉しく思っている。
(…後略…)