目次
はじめに
1 アイヌ民族にかかわる先住権と教育について[阿部ユポ]
はじめに
先住民族の権利宣言
「先住民族」とは何か
国連人権委員会先住民作業部会
「アイヌ」とは何か
先住民族運動
二風谷ダム裁判
日本政府の対応
アイヌ民族を先住民族として求める決議と有識者会議
教職員に望むこと
「アイヌ民族に何をしてきたのか」~正しい歴史観を
おわりに
2 北海道の教職員に望むこと[貝澤耕一]
はじめに
真実を伝えてほしい
二風谷ダム裁判を起こしたわけ
二風谷ダム裁判で主張したこと~「アイヌを先住民族として認めなさい」
二風谷ダム裁判判決~文化享有権の尊重
判決の後
みんな違うということ
北海道の教職員に望むこと
〈質疑応答〉
3 アイヌ民族として学校教育に期待すること~末広小学校での実践を通して~[野本久栄]
はじめに
千歳市立末広小学校での取り組み
アイヌ文化を体感させること
命の大切さ
アイヌ民族差別に抗して
学校教育に期待すること
カントオロワ ヤクサクノ アランケペ シネプカ イサム
アイヌ文化は生活文化
おわりに
4 アイヌ文化について[川村兼一]
はじめに
間違いだらけの北海道の地名の話
アイヌの土地の話
川の話
山の話
コタンの話
松前藩ができる前のアイヌの一日の話
漁猟の話
ユカラの話
明らかになってきたアイヌの真実
アテルイとモレの顕彰碑の話
旧土人保護法の話
先住民族としての権利の話
おわりに
5 アイヌ民族の今[結城幸司]
はじめに
「イランカラプテ」の大事な意味
文字を持たないということ
アイヌという言葉
幼少の頃
父結城庄司のこと
神奈川の頃
アイヌに反発していった頃
鑑別所でのこと
父の死のこと
『アイヌ宣言』との出会い
北海道に戻って
旧土人保護法がもたらしたもの
「アイヌ」を名乗らない世代
環境を語る世の中に
ネット社会の暴力
おわりに~若い世代へ
6 今こそ、「アイヌ民族の学習」をすすめよう[秋辺日出男]
はじめに
北海道の歴史を正しく認識することは、道産子の権利である
道産子としての民族意識を持って語ろう
アイヌがアイヌとして生きることのできる、お互いが認め合う社会
アイヌと連携して、地域に根差した歴史教育を
阿寒湖「イオマンテの火祭り」の成功
「杜の賑い」の北海道開催
アイヌと共に「アイヌ学習」を
先住民族の権利としての集団的権利の問題
おわりにかえて~アイヌからのメッセージ
7 アイヌとして生きて、アイヌ文化を伝承すること[門脇こずえ]
はじめに
アイヌ文化の後継者
母の想い
アイヌ文化伝承活動
現存するアイヌ民族に対する差別
文化伝承の今後
8 私の歩んできた道~ひとりのアイヌ女性として~[竹内美由起]
自己紹介
楽しかったウポポ会でのこと
家族のこと
生活の中に生きていたアイヌ文化
「アイヌ」という差別を受けた小・中学生時代
会社での差別
アイヌの踊りを残すために
《解説》アイヌ民族の学習の歴史と今
一 アイヌ民族自身が語る
二 アイヌ民族学習の歴史
1 アイヌ民族の学習の始まり
2 正しいアイヌ民族の学習とは何か
3 先住民族としての歩み
4 アイヌ民族の学習の現状と課題
三 アイヌ民族に関する学習の実際
1 アイヌ学習の第一歩~アイヌ語地名を調べよう~
2 アイヌ文化を学ぶ視点
3 アイヌの歴史の学習
4 アイヌ民族への差別について考える
前書きなど
はじめに
(…前略…)
アイヌにつながる人たちがアイヌ民族を選択できる社会、先住民族の権利が認められる社会。北海道の歴史が「開拓」によって始まったという誤った歴史認識。これらを乗り越えるキーワードは、はっきりしています。教育にあります。
それについて、アイヌの人たち自身はどう考えているのか。アイヌ民族の当事者から聞いて、日本国民として教育は何を考えなければならないのか、行動しなければならないのか。本書は、アイヌ民族の各地域の人々に、「教育に求められるもの」について講演していただいたことをまとめたものです。さまざまな民族で構成される私たち・日本国民は、ここから何を汲み取るか、読後にぜひ振り返っていただければと思います。