目次
序文
刊行にあたって(OECD事務総長アンヘル・グリア)
読者の手引き
はじめに
第I章 破綻を避け、成果を得るための統治:ガバナンスにレバレッジをかける
はじめに
業績としてのガバナンス:OECDスタイル
結論
第II章 財政緊縮:証拠に基づく意思決定の必要性
はじめに
第1節 多くのOECD諸国が財政緊縮のための各種改革を計画している
第2節 圧力の下で改革を行う政府の能力
第3節 改革計画の質を評価する:主要な疑問とリスク
結論
第III章 財政と経済
指標1 一般政府の歳入
指標2 一般政府の歳入構造
指標3 政府のレベル別歳入構造
指標4 一般政府の歳出
指標5 一般政府の歳出構造(政府の目的分類別)
指標6 政府のレベル別歳出構造
指標7 タイプ別一般政府歳出
指標8 一般政府の生産費用
指標9 一般政府の投資
指標10 政府と家計による最終消費支出
指標11 一般政府の金融資産・債務の規模
指標12 政府赤字/黒字
指標13 一般政府負債
指標14 研究開発の促進における政府の役割
第IV章 戦略的洞察とリーダーシップ
指標15 財政の持続可能性
指標16 戦略的人的資源マネジメント
指標17 上級幹部公務員
指標18 上級職員の任用への政治的影響
指標19 戦略的意思決定:大臣顧問
指標20 電子政府戦略
第V章 一般政府及び公的企業の雇用
指標21 一般政府及び公的企業の雇用
指標22 政府のレベル別一般政府雇用
指標23 中央政府の労働力の高齢化
指標24 公共部門における労働力のリストラクチャリング
第VI章 公共部門の特定の職業における報酬
指標25 教員の給与
指標26 医師及び看護師の給与
指標27 中央政府の上級マネジャーの報酬
指標28 中央政府の中間マネジャーの報酬
指標29 中央政府の専門職の報酬
指標30 中央政府の秘書職員の報酬
第VII章 人的資源マネジメント慣行
指標31 人的資源マネジメントにおける権限委譲
指標32 職員の業績マネジメント
指標33 中央政府の労使関係
指標34 中央政府の勤務条件
第VIII章 政府における透明性
指標35 予算プロセスにおける透明性を確保する議会の能力
指標36 情報公開法制の対象範囲
指標37 公共の情報に対する開示請求の容易さ
指標38 積極的な情報開示
指標39 最高意思決定者による利益相反の開示
第IX章 公共調達
指標40 公共調達市場の規模
指標41 公共調達における透明性
指標42 電子調達
指標43 グリーン調達
第X章 規制ガバナンス
指標44 規制に関する組織枠組みと監視
指標45 規制の透明性の改善
指標46 規制に対する効果的な遵守と執行への準備
指標47 規制業績の評価
第XI章 公共サービスの提供方法
指標48 政府のアウトソーシング
指標49 電子政府サービスの利用度
指標50 サービス提供において国民とパートナーを組む
第XII章 政府の業績指標:教育・保健医療・租税部門
指標51 教育・保健医療・租税部門の政策における公正さの拡大
指標52 教育へのアクセスの公平性
指標53 教育のアウトプット
指標54 教育のアウトカム
指標55 保健医療へのアクセスにおける公平性
指標56 保健医療のアウトプットにおける効率性
指標57 保健医療のアウトカムと支出
指標58 税務行政の効率性
附録A 歳入集計のための方法論
附録B 政府の目的別分類(COFOG)
附録C 財政緊縮モデルにおける仮定
附録D 政府職員の報酬に関する方法論及び補注
附録E 人的資源マネジメント慣行の合成指数
附録F 清廉性に関する2010年OECDサーベイからの利益相反開示に関する詳細データ
附録G 公共調達に関する2010年OECDサーベイからの詳細データ
附録H 文脈上の要素
附録I 運営グループメンバー
用語集
参考文献
監訳者あとがき
前書きなど
政府の業績測定が公共部門の有効性と効率性を改善するために必要であることは、長い間認識されてきた。しかし、2008年の財政・経済危機発生以後、行政のどの分野の支出を優先し、どの分野の費用を削減し、どの分野のイノベーションを促進するか、また、それをどのように行うかを政府が十分な情報を踏まえて決定することに資する、正確かつタイムリーなデータの必要性がこれまでになく高まっている。実際、2010年には、OECD諸国の多くの政府が、財政を立て直すために、予算の削減、公共部門の賃金の凍結、公務員数の削減などを行わざるをえなくなっている。本書の分析結果は、多くのOECD諸国で現在実施されている緊縮措置が提起する政策上の諸問題への重要な手掛かりとなる。
本書は、政策決定者と国民が行う政府の業績の分析とベンチマーキングの支援のために、OECD加盟国及び非加盟国を対象とした約60の指標の「計器盤」である。本書には政府活動の「生産チェーン」全体にわたるデータが収録されている。国民から受け取った歳入の情報、政府支出・雇用・報酬関連のインプット指標、政府全体及び特定部門(教育、保健医療、租税部門など)のアウトプットとアウトカムに関するデータである。さらに本書は、透明性と清廉性に関する公共マネジメント慣行、規制ガバナンス、公務における人的資源マネジメント、サービス提供などに関する比較可能なデータも取り上げている。これらの指標は、政策アプローチへの洞察や成功と失敗の実例を提供している。本書には、公共部門改革の政策に関する国民的論議に情報を提供するというねらいもある。