目次
まえがき[石川准]
第1章 ディスアビリティの削減、インペアメントの変換[石川准]
1 財と権利と尊厳の分配システム
2 「ディスアビリティ」の脱構築
3 ディスアビリティの削減、インペアメントの変換
4 平等と差異のディレンマ
第2章 ないにこしたことはない、か・1[立岩真也]
1 どんな主題なのか
2 死なず痛くなければよい、とはいえ、できるにこしたことはない、か?
3 できることは必要だが、私が、である必要はない
4 支払いをみると、他人にやってもらった方が楽なことがある
5 得たいものは、因習にこだわらなければ、様々に得られる、こともある
6 そこに肯定されてよい世界が現れ、そしてそれは障害であることと両立する
7 選択の幅が広い方がよいから、とも簡単に言い切れない
8 他方、周囲の人にとってはないにこしたことはない
9 補足1・「社会モデル」の意味
10 補足2・差異と平等/社会モデルと文化派
第3章 障害者を嫌がり、嫌い、恐れるということ[好井裕明]
1 嫌がられ、嫌われ、恐れられる——被差別体験から
2 障害者差別——人権侵害として整理する限界性
3 障害者フォビア——常識的理解をめぐる問題
4 虚構の感情としての障害者フォビア——ある個人的体験から
5 フォビアの一歩手前にある自分の姿を見抜く
第4章 欲望する、〈男〉になる[倉本智明]
1 はじめに
2 語り出されるセクシュアリティ
3 欲望する主体としての障害者
4 〈男〉への同一化とその困難
5 むすび——性のアブノーマライゼーションにむけて
第5章 声を生み出すこと——女性障害者運動の軌跡[瀬山紀子]
1 はじめに
2 女性障害者運動のはじまり——結婚・子育て、家族をめぐる女性たちの運動
3 子宮摘出をめぐって
4 女性障害者によるピア・グループのはじまり——むかい風の実践
5 ピア・カウンセリングと女性障害者運動——対等であることを求めて
6 おわりに——声を生み出すこと
第6章 所属変更あるいは汚名返上としての中途診断——人が自らラベルを求めるとき[ニキ リンコ]
1 目的
2 中途で診断を受けるとは?
3 診断遅延本来の問題と付随する問題
4 方法・対象・範囲
5 用語について
6 自閉者自身から見た「自閉」とは
7 自閉者同士の共感
8 筆者の場合——診断まで
9 筆者の場合——診断
10 障害というラベリングによって安心すること
11 未診断で成長するということ
12 説明を求める思いを持つこと自体を否定されるとき
13 制裁だけを先取りしてきた歴史
第7章 能力と危害[寺本晃久]
1 生来性犯罪者説の導入と否定
2 刑罰と障害認識の変化
3 問題の拡張〜優生へ
4 危害の政治学へ
第8章 インペアメントを語る契機——イギリス障害学理論の展開[杉野昭博]
1 『母よ! 殺すな』二〇〇〇。
2 「障害者殺し」から社会モデル批判へ
3 「旧・社会モデル」から「新・社会モデル」へ
4 イギリスから日本へ——転倒した「歴史」
あとがき[倉本智明]
索引