目次
固有名の詩学のための序論 前田佳一
第Ⅰ部 〈産出性〉
第一章 作者と名前──ドイツ盛期中世俗語文芸における作者 山本潤
第二章 『ジーベンケース』における名前の交換 江口大輔
第三章 呼びかけ・主体化・服従化──トーマス・マン『トニオ・クレーガー』における名前 木戸繭子
第四章 リルケ作品における名づけと呼びかけ 山崎泰孝
第五章 インゲボルク・バッハマン『ボヘミアは海辺にある』における固有名の神話化作用 前田佳一
第Ⅱ部 〈虚構性〉
第六章 ヘルダーリンの頌歌『キロン』における固有名の機能 小野寺賢一
第七章 ジャン・パウル『自叙伝』における固有名「パウル」 江口大輔
第八章 ホフマンとディドロ──継承と呼応 宮田眞治
第九章 トーマス・マン『すげ替えられた首』における「体を表す名」と「神話の名」 木戸繭子
第十章 ウィーンの(脱)魔術化──ハイミート・フォン・ドーデラーとインゲボルク・バッハマンのウィーン 前田佳一
第Ⅲ部 〈否定性〉
第十一章 Nemo mihi nomen──あるアナグラムの系譜 平野嘉彦
第十二章 ベルリンは存在しない──ウーヴェ・ヨーンゾンにおける境界と名称 金志成
第十三章 断片としての名──インゲボルク・バッハマンにおける固有名の否定性 前田佳一
編者あとがき 前田佳一
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