目次
業平と小町—文化現象として◆馬場あき子
貫之から見た業平・小町/「玉造小町」の夢とうつろひ/能本作者の本音と婉曲表現/野晒し説話と光源氏の流れ/逆転劇のドラマ性/和歌の原質としての業平・小町
物書く女たち—和泉式部的なものをめぐって◆瀬戸内寂聴
再発見、女西行/愛の軌跡—『煩悩夢幻』の世界/墨染への意志/和泉式部的系譜と紫式部的系譜/劣等感+優越感……/「はるかに照らせ……」
西行 その風土、時間、そして歌◆前登志夫
吉野の桜/歌集『霊異記』/西行と万葉/芭蕉、良寛、河上肇/言葉の呪力/題知らずの歌/自然/縄文的なるもの
定家◆木俣修・大岡信
現代詩人と中世詩との関り合い/白秋に貫く俊成と定家/ボードレールと定家は繋げられるか/詞への執念と伝統の確立/定家の園芸趣味とその精神力/後鳥羽院に鬱陶しがられた定家の人柄/貴族文化へあこがれた実朝と定家/現代の詩歌に於ける題詠を探る……/古典をくぐらずして詩人の練成はない/新古今調への偏見と思慕/定家と芭蕉は結べるか/連句に一番遠い現代俳句
藤原定家の世界◆松岡心平
定家のイメージは?/俊成最愛の妻、美福門院加賀/式子はいつも後ろ向き/定家の恋心/憧れの女性/歌人としての定家/葛と雨/禅竹作者考/正徹の影響/死んでなお……
源実朝の歌と人物◆川平ひとし・佐佐木幸綱・俵万智
二つのテキスト/実朝の素人っぽさ/『新古今集』と実朝/題詠と実朝/「われ」「わが」の表現/読み手の思い入れ/「世の中は…」/「おほうみの……」/私の好きな実朝の歌
中世の風 一休、そして蓮如◆水上勉
ゆかりの寺/水上一休/後小松天皇落胤説/森侍者/明恵、そして蓮如/白骨と肉体/歴史に寄り添う
対談・座談おぼえがき