目次
古典と私の人生◆秋山虔
文学とのふれあい/古典をどう読むか/日本的なもの/仮名の誕生/楽しく読む/好き嫌い/「みやび」とは
日本文化と古典文学◆ドナルド・キーン
古典文学は現代語訳で—作品そのものの面白さを伝えること/近松はアーサー・ミラー—文学研究の対象に貴賤なしだが/何も食べない「源氏物語」—心のことを書かなかった中国詩人/文学の歴史は和歌中心—千何百年も和歌の形式がつづく
百人一首—言葉に出会う楽しみ◆俵万智
歌を覚えるということ/口語と文語、定型と散文/俊成卿女と宮内卿/作歌と技巧/俵万智と中島みゆき/作る喜びと苦しみ、読ませる工夫/さまざまな『百人一首』
日本の恋歌を語る◆金子兜太・佐佐木幸綱
恋の歌との出会い、東歌から/啄木の歌から/百人一首から/反古今・親歌謡の立場/身体の問題/東歌のエロス/万葉相聞の女歌人/男の相聞歌人/得恋の歌/西行の恋歌/具体と抽象/男の歌と女の歌/恋の歌人定家/近世和歌での恋/恋の句さまざま/歌謡・川柳・狂歌/我が恋歌、我が恋の句
宮のうた、里のうた◆丸谷才一
歌人天皇/後鳥羽院の歌、昭和天皇の歌/後白河法皇の今様/天皇の意味—日本文化における
王朝和歌—心、そして物◆竹西寛子
歌について何を、どう言うか/物と心、心と言葉/雑歌の面白さ、その広がり/和泉式部好き、能因嫌い/行動と想像と創造と/俊成卿女の恋、永福門院の景
藤原定家の千年◆田辺聖子・冷泉貴実子
守られた歌の伝統/冷泉家の歌会始/花は満開の花、月は満月/恋と「もののあはれ」/本歌取りはオーケストラ/白い涙、赤い涙/俊成の言葉、定家の言葉/子規と伝統/洗練された定型/失われた月雪花/座の文学/定家と式子内親王/老いの恋歌/歌合と「百人一首」
〈うた〉、そのレトリックを考える◆岡井隆
西行と定家/『日本名歌集成』と教科書の歌/読みの歴史/茂吉の歌/土地、風土/口語と文語/引用/表現技巧/旅と日記
対談・座談おぼえがき
あとがき
詩歌索引