目次
はじめに
第一章 テクストの相
1 三つの相——物語内容、物語言説、物語行為/2 太宰治「浦島さん」/3 物語内容とは何か/4 物語行為/
5 語りに仕組まれる読みの方向/6 読みの方向と物語内容
第二章 語り手と語りの場
1 語り手という存在/2 語り手のさまざま——読者と向きあう語り手/3 語り手と物語世界/4 語りの階位/
5 枠物語——外枠の物語と埋め込まれた物語/6 物語を作る語り手——永井荷風『墨東奇譚』/7 聞き手と向き合う語り手
第三章 語りの視点
1 心の中を語ること/2 焦点化——誰が知覚し、誰が語るのか/3 焦点化概念の変容/4 黒澤明『羅生門』と芥川龍之介「藪の中」の語り/5 芥川龍之介「偸盗」の語り
第四章 テクストの声
1 テクストから聞こえる声/2 森鴎外「山椒大夫」における話法の処理
第五章 語りと時間
1 小説の中の時間/2 順序/3 持続/4 頻度
終 章