目次
はじめに パリのノートル=ダム
I 聖と俗の長い葛藤
第一章 宗教と世俗の逆転――教会財産から国有財産へ
第二章 行政に管理される宗教建築――19世紀教会の公共サービス施設化
第三章 近代概念としてのカテドラル――王家菩提所サン=ドニの空間的意味の多層化
第四章 挫折するモニュメント――カトリック教会と世俗的共和国との空間をめぐる闘い
第五章 教会建設の社会体制――合理主義の揺籃としての19世紀パリの教会建築
第六章 教会施設を所有するということ――1905年の政教分離法による「聖なるもの」の自立
II 「聖なるもの」の形成
第七章 発見された根源としての「聖なるもの」――近代における建築起源論
第八章 「聖なるもの」による建築の再定義――20世紀建築のひそやかな水脈
第九章 運動としての「聖芸術」の誕生と展開
III モニュメントと近代精神の共振
第一〇章 教会建築の現代化――20世紀パリにおけるカトリック教会造営運動
第一一章 帝国的なものとしてのオベリスク――近代における復活をめぐって
第一二章 生者と死者を媒介する――帝国理念における「聖なるもの」と都市計画
第一三章 「聖なるもの」を目指して――前衛思想における世界創生理念
第一四章 歴史からの脱出――近代なるものと建築史学
おわりに ロンシャンのノートル=ダム=デュ=オ礼拝堂
あとがき